PS/2もシリアルもパラレルも用意しない、思い切った仕様のマザーボード「AT7」。発表以来高い注目を集めるこのAbit製“Apollo KT333”チップセット搭載、世界初のレガシーフリーインターフェイス採用マザーボードがいよいよアキバに登場予定だ。ES(Engineering Sample)品の展示を開始したWonderCityによれば、来週発売で予価は2万4800円だという。
AT7はAbitが“MAX Concept”と呼ぶ思想に基づいて作られた、レガシーフリー化と最新規格への対応が行われたコンセプトマザーボード。USBやIEEE1394、RJ-45と光デジタルにアナログサウンド入出力のみとなっているオンボードのインターフェイスは圧巻だ。これら豊富なインターフェイスを制御するコントローラチップがAGPスロットの近くにズラりと並び、これによってATXフォームファクタを採用しながらPCIスロットの本数が3本とMicroATXマザーボード並みになっているのも大きな特徴と言えるだろう。PCIスロット3本分のスペースにはVIA製のUSB2.0コントローラ“VT6202”のほか、Realtek製のネットワークコントローラ“RTL8100B”、TI製のIEEE1394コントローラ“TSB43AB23”、Ultra ATA/133対応のHighPoint製IDE RAIDコントローラ“HPT374”を搭載。また、ボード上にはデジタル出力&アナログ5.1ch出力対応Realtek製AC'97コーデック“ALC650”や、USB1.1/2.0、IEEE1394ポートをブラケットまで引き出すためのコネクタも見える。なお、現在明らかになっているAT7のインターフェイスは以下のとおり。
インターフェイス | コントローラ/コーデック | コネクタ数 |
---|---|---|
USB1.1 | VT8233A(South Bridge) | 4(オンボード) 2(ブラケット) |
USB2.0 | VT6202 | 2(オンボード) 2(ブラケット) |
IEEE1394 | TSB43AB23 | 2(オンボード) 1(ブラケット) |
デジタル出力 | ALC650(AC'97) | 1(光) |
アナログサウンド出力 | ALC650(AC'97) | 3(5.1ch対応) |
アナログサウンド入力 | ALC650(AC'97) | 2(ライン、マイク) |
RJ-45 | RTL8100B | 1(オンボード) |
IDE | VT8233A(South Bridge) | 2(最大4台) |
IDE RAID | HPT374 | 4(最大8台) |
FD | W83697HF | 1 |
このほか、PC2700(DDR333) DDR SDRAMに対応するDIMMスロットが4本用意されているのも特徴で、アンバッファードタイプなら3GB、レジスタードタイプなら3.5GBまで搭載可能。3.5GBと中途半端な数字になっているのは、Windows 2000/XPの場合、OSがサポートする限界の4GBまですべて搭載してしまうと、ビデオカードなど拡張カードのROM領域が加算されて合計で4GBを超えてしまい、OSがインストールできなかったりする場合があるためと思われる。
Abitは「将来的なコンピューティングに対応するソリューション」としており、今回のMAX Concept、そして第1弾となるAT7にかなりの自信を持っているもよう。ハイエンドユーザーの中には「USB接続のキーボードなんて信頼できない」といった声も一部で聞かれるが、そんななかこの新しいコンセプトがアキバで受け入れられるのか注目してみたい。
【取材協力】