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【秋葉原迷宮探検レポート】専門店街の最新トレンドは小型カメラ

2002年03月30日 00時00分更新

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■階段を抜けるとそこにはオアシスが

階段の向うに突然現われた喫茶店。店内は予想外に広く落ち着いた雰囲気

 階段を登っていくと突き当りにはガラス張りのドアがあった。すぐ下は電子部品専門店がひしめく迷宮であるのに、この先の空間は全く違った雰囲気である。中を覗くとドアの向こうは小洒落た喫茶店のようだ。異次元空間に突如出現した特異点のような店内。従業員用通用口かと辺りを見回してみるが、それらしき注意書きは何処にもない。恐る恐るドアを開けてみる。内部に広がる空間は紛れもなく喫茶店らしきものだった。会員制高級クラブであれば黒服の用心棒につまみ出されそうだが、そんな様子もない。

 通りかかった店員さんに話を伺うと、今入ってきたドアは裏口らしい。言われてみると普通の入り口が別にもう一つあることに気づいた。店内は非常に落ち付いた雰囲気で、大きな窓からは秋葉原駅前の再開発地域が一望できる。この喫茶店が電波会館の中にあるとは信じ難い。筆者は秋葉原の電子部品砂漠の中でオアシスに遭遇した。これは大発見かも知れない。さっそく店長さんに突撃取材を試みる。

―――こちらは喫茶店ですか? 普通の人が入っても良いのですか?

「えっ、そうですが…(この質問には店長さんも驚きの様子)」

―――こちらはいつ頃から営業されているのですか?

「今の内装は14年前に改装してからですね。店は30年以上前からやってます」

―――オススメのメニューは何ですか?

「やっぱりコーヒーですね。炭火コーヒーが専門です。それから夜はお酒も出します。うちはとにかく居心地の良いお店を心がけていますから。ゆっくりしていってもらえるように気を配っています」

―――では、多少長居をしても大丈夫ですか?

「そうですね。1時間や2時間くらいは…。価格設定も他所のお店とは違いますから。あっ、何度か取材の方もいらっしゃってますよ」

―――こっ、このお店は…。ころな…。



一杯づつ豆から挽いてペーパードリップ。コーヒーの味など判らない筆者でさえ違いの判る美味しさ

 ここで気づいてしまった。アキバ通の読者諸氏はもうお気づきだろう。このお店は秋葉原では有名な喫茶店「古炉奈」だったのだ。通常の入り口は電波会館の道路に面した側の1階部分にあるのだが、今回別の入り口を通って辿りついた意外性に新たなアキバの名所発見と勘違いしてしまったのだ。この喫茶店は秋葉原の待ち合わせ場所としても一部の人々に有名で「知る人ぞ知る秋葉原の隠れ家的喫茶店」というところである。うっかり秋葉原デートを承諾してしまいストレス爆発寸前の彼女だって、この喫茶店でコーヒーを飲めばご機嫌度50%回復は必至である(ウソ!)。かく云う筆者も手動ドリップの薫り高い炭火珈琲を飲んで、つかの間のリッチな気分を堪能させて頂いた。お店自体は有名だが、この秘密の(?)入り口の存在を知る人は少ないだろう。意外性を演出するならばラジオセンター内の細い階段を抜けてこの喫茶店に入るとインパクト倍増は請け合いである。



ブレンドコーヒー(600円)。コーヒーカップからも高級感が漂う
店内からの眺望。秋葉原駅前の再開発地域が一望できる

炭火珈琲庵 古炉奈
東京都千代田区外神田1丁目14番3号 電波会館2F
営業時間 平日AM9:30~PM10:30 日・祝AM9:30~PM9:30

【筆者プロフィール】森本琢司氏。機械設計・加工会社に就職したが、IT成金を夢見てPC関連のベンチャー企業に転職。現在は脱サラして自営。大手メーカーの覆面SEからバカ改造記事執筆まで無節操な営業状態。自称「インチキSE兼コンビニエンスライター」。水冷装置など機械加工を駆使した改造が得意。1970年生まれ神奈川県横浜市在住。

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