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インクリメントPなど3社、3次元デジタル地図『MAP CUBE』の販売を開始

2002年03月27日 19時35分更新

文● 編集部 田口敏之

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インクリメントP(株)、(株)キャドセンター、(株)パスコの3社は25日、共同で開発し、2001年10月から提供している3次元デジタル地図のブランド名を“MAP CUBE(マップキューブ)”として、同日付けで本格的に販売を開始すると発表した。

左からインクリメントP代表取締役社長の清水俊彦氏、パスコ代表取締役社長の大嶽貞夫氏、キャドセンター代表取締役社長の浜野美行氏
左からインクリメントP代表取締役社長の清水俊彦氏、パスコ代表取締役社長の大嶽貞夫氏、キャドセンター代表取締役社長の浜野美行氏

MAP CUBEは、3社が協業によって作成した3次元デジタル地図。地形や建築物の高精度な形状データを提供する“形状モデル”と、形状モデルに建物や地形の写真を付加した“テクスチャモデル”という、2つのモデルを用意している。形状モデルは、都市防災や電波解析、日照権シミュレーションなどに最適で、テクスチャモデルは、カーナビゲーションシステムや眺望シミュレーション、観光案内などの利用に適しているという。

形状モデル
形状モデル
テクスチャモデル
テクスチャモデル

この3次元デジタル地図の制作のために、インクリメントPは詳細な地図データを提供し、パスコは航空写真と建物の高さの測量データを提供している。またキャドセンターは、同社の3次元CG技術と、高速立体化技術を提供し、データを基に3次元デジタル地図を作成する。

3社の協業図
3社の協業図

インクリメントPの地図データは、2001年の時点で、全国1406市区町村を網羅しており、パスコの航空測量技術“レーザープロファイラ”は、地形や建物など、測量データの誤差を15cm以内に収めることが可能という。そして、キャドセンターの高速立体化技術は、測量データと2次元地図のベクトルデータを、高速かつ忠実に処理し、3次元デジタル地図として表示できるとしている。

左がMAP CUBEによるデジタル地図で、右が実際の銀座の町並み
左がMAP CUBEによるデジタル地図で、右が実際の銀座の町並み

価格は、形状モデルが1平方kmあたり2~60万円。一括購入するエリアの広さによって、ディスカウントを行なうという。参考価格は、港区全域が約580万円(1平方kmあたり約29万円)、東京23区全域が約3150万円(1平方kmあたり約5万円)としている。テクスチャモデルの価格は、形状モデルに別途加算する形となり、1kmあたり20~80万円。形状モデルが面積あたりの価格であるのに対し、距離あたりの価格となっているのは、特定の道路などに沿って、建物にテクスチャーをマッピングしてゆくため。参考価格は、銀座地区で約500万円。

同製品を用いた火災シミュレーション
同製品を用いた火災シミュレーション

なお、地図データはOBJ形式で提供する。また、データを閲覧するためのソフトとして、キャドセンターの3次元グラフィックスビューワー『Urban Viewer(アーバンビューア)』、パスコの統合型GIS(Geographic Information Systems:地図情報システム)ソフト『PasCAL(パスカル)』なども、併せて提供するという。価格は未定。

ビルの特定のフロアからの眺望図。利用形態の1つ
ビルの特定のフロアからの眺望図。利用形態の1つ

販売は、3社がそれぞれ持っている市場に対して行なう。インクリメントPはカーナビメーカーなど、一般ユーザー向けの市場に、キャドセンターはGISや各種シミュレーションを行なう企業など、さまざまなプロフェッショナル向けの市場に提供し、パスコは地方自治体や、公共団体向けに提供を行なうとしている。

販売スケジュールは以下の通り。形状モデルは、東京23区/横浜市/大阪市をすでに発売しており、6月までに名古屋市/川崎市を、9月までに神戸市/京都市/千葉市をカバーし、12月までに、そのほかの政令指定都市をカバーする予定。またテクスチャモデルは、東京都千代田区/中央区の主要繁華街と沿道をすでに発売しており、6月までに東京都23区の主要繁華街と沿道、および大阪市中央部を、9月までに名古屋市の中心部をカバーし、12月までにそのほかの政令指定都市をカバーする予定となっている。

同製品について、インクリメントP代表取締役社長の清水俊彦氏は、「デジタル地図の、紙の地図にないメリットは、住所や電話番号を入力すれば、すぐにその場所を表示できる検索性の高さにある。弊社はこれまでにも、詳細な地図データを提供してきたが、MAP CUBEは、3次元で地図を写真のように再現できる、これまでにない地図サービス。アリの目からは都市がどう見えるかなどを再現することもできる。これは、事業的にもポテンシャルを持った素材だと確信している」と述べた。

またキャドセンター代表取締役社長の浜野美行氏は「1987年の創設以来、弊社は3次元 CGによる建築や都市の作成を行なってきた。今回の3次元デジタル地図は、3社が共同で行なうという点において、非常に期待を持っている。各社の強みを持ち寄って事業ができるというのは、とても意味のあることだと思う」と述べた。

そして、パスコ代表取締役社長の大嶽貞夫氏は、「弊社は戦後から、国土開発のために航空写真を基に地図を作り、国土地理院や自治体に提供してきた。弊社は今回の事業において、3次元の立体地図データを提供する。現在もカーナビなどで3次元の地図は用いられているが、高さのデータがかなり不正確なものとなっている。弊社は3次元のデジタルデータを、レーザーを用いてダイレクトに取得できる技術を持っており、フレッシュでリアルな、現状に近いデータを提供できると思う」と語った。

3社は販売目標として、2002年度中に5億円、2005年度までに50億円強の売り上げを見込んでいる。

同製品を利用したキオスク端末。利用形態の1つとして考えられている同製品を利用したキオスク端末。利用形態の1つとして考えられている

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