アドビシステムズ(株)は12日、ウェブオーサリングツール『Adobe GoLive 6.0 日本語版』、およびウェブアニメーション作成ツール『Adobe LiveMotion 2.0 日本語版』を発表した。それぞれWindows版とMacintosh版が用意される。
『Adobe GoLive 6.0』のパッケージ |
サーバー機能を搭載したGoLive 6.0
GoLiveは、ウェブサイトのデザインからレイアウト、管理、展開まで行なえるソフト。6.0では、ワークスペースのカスタマイズが可能になったほか、デュアルスクリーンに対応する。ユーザーインタラクションダイヤグラムやサイト情報ダイヤグラムなどをデザインできるデザインダイヤグラム機能を搭載し、作成したダイヤグラムをワークグループ内で共有したり、ウェブプロジェクトへ追加したりできる。ダイヤグラムからそのままウェブページを作成することも可能。
GoLive 6.0の画面ショット |
また、複数人からなるチームでウェブ制作を行なうユーザー向けに、サーバーベースのアセットマネージメントツール『Adobe Web Workgroup Server』が用意されている。これによりウェブ制作に使用する各種ファイルの共有/管理や、変更履歴の把握、ファイルのチェックイン/チェックアウト管理、サイト全体のリンク管理などを行なえる。ファイルのバージョン比較や、古いバージョンへのロールバックも可能。
さらに、アプリケーションサーバーを持っていないユーザー向けに、『ダイナミックコンテンツサーバー設定インストーラー』が付属する。ウェブサーバー、PHPモジュール、JSPモジュール、データベースソフトで構成されており、シンプルなダイナミックコンテンツサーバー環境を構築することが可能。
また、従来のASP(Active Server Pages)サポートに加え、新たにJScriptに対応するほか、PHP、JSP(Java Server Pages)もサポート、これにより動的でダイナミックなウェブサイトの作成が可能という。そのほか、Windows版のみ、GoLive上で携帯電話での画面表示をエミュレーションできる『iモードエミュレーション』が付属する。
対応OSは、Windows 98SE/Me/2000/XPおよびMac OS 9.1/9.2、Mac OS X 10.1。Web Workgroup Serverの対応OSは、Windows 2000/XP、およびMac OS X .10.1。4月上旬発売で、価格はオープンプライス。アドビストア価格は2万4800円、アップグレード価格が1万2100円。
インタラクティブなFlashアニメを作成できるLiveMotion 2.0
LiveMotionは、ウェブ向けのアニメーションを作成するためのツール。2.0はActionScriptに対応し、ダイナミックなコンテンツを作成できるようになったという。また、多くのステップを要する作業行程を自動処理できる“Automationスクリプト”、オーサリングアプリケーションの拡張やUIへの新規ツールの追加などに利用できるカスタムインターフェース“Live Tab”などを搭載する。
『Adobe LiveMotion 2.0』のパッケージ |
さらに“スクリプトエディタ”により、AutomationスクリプトとActionScriptをコード化することが可能。ソースレベルの“スクリプトデバッガ”も用意されており、スクリプトのテストを短時間で行なえる。
LiveMotion 2.0の画面ショット |
作成したアニメーションファイルは、Flashファイル(SWF)やQuickTimeムービーとして出力できるほか、MP3ファイルを読み込み、ストリーミングMP3オーディオデータとしてFlashファイルに書き出素言も可能。そのほか、GIF、アニメーションGIFなどをサポートする。
対応OSは、Windows 98SE/Me/2000/XPおよびMac OS 9.1/9.2、Mac OS X 10.1。4月上旬発売で、価格はオープンプライス。アドビストア価格は2万4800円、アップグレード価格が1万2100円。
なお同社は、GoLive 6.0とLiveMotion 2.0をセットにした『GoLive/LiveMotion Pack 日本語版』も同時発売する。価格はオープンプライスで、アドビストア価格が3万4800円、教育関係者向けのアカデミック版が8400円。
日本語版はお買い得!?
今回の発表にあたり、米アドビシステムズ社クロスメディアパブリッシングプロダクトマネージャーであるGeorge Arriola(ジョージ・アリオラ)氏と、日本法人のマーケティング部Webパブリッシンググループフィールドプロダクトマネージャーである西山正一氏にお話を伺った。
米アドビシステムズ社クロスメディアパブリッシングプロダクトマネージャーであるGeorge Arriola氏 |
――アドビ製品の中でのGoLiveの位置付けは?
「GoLiveはウェブサイト制作ツールであり、アドビシステムズが提唱する“ネットワークパブリッシング”の中核的位置付け。画像作成のためのPhotoshopやIllustrator、アニメーション作成ツールのLiveMotionなどと組み合わせて利用することでさまざまな付加価値が生まれる。単にウェブ制作ツールというだけでは片付けられないものがある」
――他社のウェブ制作ソフトとの違いは?
「UIがデザイン寄りであること。例えばPhotoshopやIllustratorを使ってレイアウトを行なうように、GoLiveでもスムーズにレイアウト作業を行なえる。さらにGoLive 6.0では、ウェブサイト作成機能だけでなく、Web Workgroup Serverによりプロがチーム作業でウェブサイトを制作できる環境を提供している。サイトの企画デザインからページのレイアウト、検証、作成したプロジェクトの発行、更新などウェブサイト制作に関わるすべてのフローをまんべんなくカバーしている」
――ターゲットユーザーは?
「ホームユースも含めてインターネットに関わるすべての人がターゲット。技術的バックグランドを感じさせずに、ユーザーが自分の想像したイメージをそのまま表現できるツールとなっており、ホームユーザーも思い通りのカッコいいサイトが作れるだろう。プロには、Web Workgroup Serverなど、普段の業務で抱えている問題を解決できるソリューションを提供できるし、企業ユースでもサイトの情報更新をスムーズに行なえることはメリットとなる」
「Web Workgroup Serverは、WebDAVを利用したもの。WindowsとMacintoshが混在しているチーム環境でも利用できるのもメリットのひとつだ。WebDAVは数年前から便利だと言われていたが、値段が非常に高かった。今回GoLiveにバンドルしているのでぜひ使ってほしい」
――他のアドビ製品に比べると値段が安いが?
「実は日本語版が特に安くなっている。いい製品なので、ホームユーザーをはじめ多くの人々に広く使ってもらいたいというのがこの価格設定の理由だ。これまではプロ向け製品というスタンスだったが、Web Workgroup Serverが入ったことでビジネスツールとしても使えるだろう」
アドビシステムズのマーケティング部Webパブリッシンググループフィールドプロダクトマネージャーである西山正一氏 |
――LiveMotionはアニメ作成ツール?
「LiveMotionは、端的に言えばアドビシステムズのFlashアニメーション作成ツール。Flashは優れたフォーマットだと理解している。LiveMotionの特徴は、アニメーションにインタラクティブ性を付加できること。ウェブサイトのインターフェースを作成することも可能で、GIFファイルにも書き出せる」
――他社製品との違いは?
「“アドビが出している”ということだろう。Flashはさまざまなソフトで作成できるが、それぞれ使い勝手が違う。LiveMotionは他のアドビ製品と同様のユーザーインターフェースだ。たとえLiveMotionを初めて利用するとしても、そのインターフェースは他のアドビ製品と同じで使い慣れたものなので、短期間で使いこなせるようになるだろう」