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三井物産と米Atoga Systems、メトロ通信網向け光アプリケーションルーターの販売で提携

2002年03月01日 16時27分更新

文● 編集部 今井睦俊

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三井物産(株)と米Atoga Systems(アトガシステムズ)社は1日、都内で記者発表会を開催し、Atoga Systems社製ネットワーク製品の販売で提携したと発表した。記者発表会には、三井物産ITソリューション事業部ネットワークシステム営業部から馬場由顕部長と鈴木芳崇氏が、Atoga Systemsからアジア太平洋担当のカマル・アナンド(Kamal Anand)副社長が出席した。

アナンド副社長と馬場ネットワークシステム部長
左がAtoga Systemsのアジア太平洋担当のカマル・アナンド副社長、右が三井物産ITソリューション事業部の馬場由顕ネットワークシステム部長

Atoga Systemsは、1999年12月に設立された光通信装置の製造会社で、カリフォルニア州フレモントに本社を置く。主力製品として、メトロ(都市内)通信網向け光アプリケーションルーター『OARシリーズ』、ネットワーク管理ソフト『App Director』などを製造する。今回の販売提携では、三井物産がAtoga Systemsから製品出荷や技術支援などを受け、日本国内での販売店への製品出荷や、エンドユーザー向けの展示会やセミナーなどを開催。さらに、三井物産は、販売店/エンドユーザー向けに技術支援を行なう拠点“ATOGA Technical Field Service”を社内に設置するという。

スライド1
技術革新による価格下落を示したスライド。100Mbpsのメトロイーサの価格(1拠点当たり)は、ATMメガリングの価格から68パーセント下がった
スライド2
競争激化による価格下落を示したスライド。2001年10月時点のADSLサービスの価格は、前年8月に比べ66パーセント下がった。これに対して米国は、15パーセント上がっている

記者発表会の冒頭の挨拶で、三井物産の馬場ネットワークシステム営業部長は「価格競争が激化する通信業界では、通信会社は付加価値のあるサービスを提供することが求められる」とし、「Atoga Systems社製品を導入することで、投資効率が高く、高品質で柔軟なメトロネットワークを構築できる」と述べた。また、同社の米国子会社であるMITSUI COMTEK社がAtoga Systemsに200万ドル(約2億7000万円)を出資したことについて、「単に販売代理として協力するだけでなく、株主としてリターンを得られるように販売活動を行なっていく」と語った。

スライド3
Atoga Systems社製品は、複数のレイヤーを統合することでラストワンマイルとバックボーンを結び、高付加価値サービスを提供可能にする

続いて、同社ネットワークシステム営業部の鈴木氏がAtoga Systems社製品の日本市場での販売戦略について説明。「国内のネットワークの状況として、メトロイーサの導入による技術革新で起こった価格下落と、ADSLサービスへの新規参入による競争激化で起こった価格下落が生じている」と指摘。日本国内のネットワークの今後は、「高速化するアクセス回線を収容するメトロネットワークの充実」と、「価格競争に巻き込まれない高付加価値サービスの提供」とが必要になると予想。Atoga Systemsの製品は、「メトロエリアにおける高付加価値サービス提供のためのプラットフォームになる」と述べた。

スライド4
Atoga Systemsの製品ラインナップ。メトロ通信網向け光アプリケーションルーター『OAR 30』/『同5』、ネットワーク管理ソフト『App Director』で構成される

最後にAtoga Systemsのアナンド副社長が同社の製品について説明。OARシリーズは、SONET/SDH(同期光ネットワーク)上でEthernet通信を行なうことで、複数のレイヤーを1つの光リングに統合する光アプリケーションルーター。40波のDWDM(波長分割多重サービス)の中から任意の1波を選択できる“チューナブルレーザー”を搭載するため、ラインカードを追加するだけで光リングの通信容量を増加できるとしている。OARシリーズは、80Gbpsのパケット通信が可能な『OAR 30』と、小型版の5Gbpsの『同5』の2機種を用意。日本国内での販売価格は、搭載モジュールの構成により異なるが同30が3000万円~6000万円、同5が1000万円程度。製品出荷は、同5が開始済みで、同30が今春の予定。

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