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国産オンラインRPGの先行者「PHANTASY STAR ONLINE」成功を支えたバックエンド(前編)

2002年02月24日 22時23分更新

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ブロードバンド回線対策

――Ver.2が発売になったときに中さんにお話を伺わせていただいてるんですが、その時、ブロードバンド系のプロバイダはモデムの時よりさらに対応が難しかったと話されていました。

節政暁生氏
「PSOはサポートセンタの問い合わせ件数ナンバーワンですよ。全問い合わせの9割がPSO(笑) もっとも、なかにはどうしようもないのもありましたけどね。『社内のLANから繋がりません』って、繋がらないよ(笑)

節:DC版で最初に一番苦労したのはプロバイダ側の問題ですね。「このプロバイダでは動きません」というのが結構あって。「チューチューロケット!」のときに1回体験していて、当然動く動かないという話はいろいろサポートセンタに来たわけですよ。それで大分対応はできたんですが、PSOは母数が違うので…。開始当時はネットワークでゲームをサービスする、なんてことをまったく想定していないプロバイダも結構ありまして、メールとHTTPしか通らない、なんていうのもあったんですよ。

外:セガにはプロバイダとしてISAOがあるので相当助かっています。おかげで、ユーザーさんには「動かないならちょっとISAOで試してみてください」と言えるわけですよ。それでも動かないならなにかしら問題がある、と。一方でプロバイダさんには、ISAOのデータを必要に応じて提供しています。「こうやって対応してください」と。

――データのシェアでプロバイダ側の問題はなんとか対応できたんですか?

節:いえ(笑) なので、ウチにはシス研(「システム研究開発部」)っていうのがあるんですが、そこがドリームキャストとPSOを各CATV会社さんとかに持っていって、一件一件実際に動かして。

外:イメージとしてはキャラバン隊ですね(笑) 「明日広島でーす」みたいな(笑) 一件一件処理していくわけですが、電話受けるたびにどんどん遠くの街に行っているんですよ。ああ、ずいぶん遠くまで行ったなぁと(笑) それでいま、プロバイダからの「どうしたらいいですか」といった連絡っていうのはほとんどなくなっています。

――たとえば弊社のメールサービスでも、SMTPは本当は100件同時に受けられないといけないのに20件しか受けられない、といった制限かかってるプロバイダがあって困ります(笑)

節:あと、1番の敵はADSL(笑) ADSLは規格自体があまり良くなくて、データがたまに欠落するんですよ。速いけども、エラーが出る。そのせいでADSLでは動かない、というケースもまだ多くありますね。タイミングの問題というよりも、データの欠落が痛いです。「ルータからMTU(※5)の設定をいじってください」とか、そういった対処をしていますが、Ver.2の頃からそういった連絡が増えてきましたね。ちなみにPC版ではその問題にもようやく万全な対処ができました。

※5 MTU Maximum Transmission Unitの略で、1回の転送で送信できるデータの最大値のこと。送信側は接続ごとに、受信側も端末ごとに数値を設定できる。単純なデータ送受信時だけでなく、通信時にエラーが発生した際に送り直すデータサイズの値としても用いられるため、単純に大きければいいというものでもない。

――PC版が発売されたのは昨年末。DC版の登場時に比べて、ブロードバンド回線の普及率が格段に向上しています。



スクリーンショット

節:PC版のサーバを立ち上げたとき大きな問題となったのは、みんなLANで繋ぐじゃないですか。やたらとスピードが速いんですよ(笑) そこで、通信パケットが大量に来すぎて通信が切れてしまう、という、今まで出なかった問題が出始めたんですね。“速すぎる”という。ブロードバンドの普及によって、そういった細かな問題への対処も必要になってきました。

――それは、どの段階で気づいたんですか?

節:チェックに出したときですね。社内でやってるときは気づかないんですよ。

外:大量のパケットが来て回線が切れる、なんていう現象は、なかなか内部では検証しきれないですね。いくらなんでも「回線チェックするからテスター200人用意してくれ」と言うのは難しいじゃないですか(笑) 実際に稼働させてみて「あれ、なんで動かないんだ?」っていうのは、実はあります。

――弊社のも単純なニュース系ウェブサイトですが、それでもぶっつけ本番みたいなところありますからね。

節&外:(笑)
外:実際に外部からアクセスしてもらってテストするのが、チェック作業としてはもっとも難しい部分ですね。

――では、最近は接続できない、といった基本的な問題は全般的に減ってきた?

節:そうですね。これまで培ってきたものでノウハウが蓄積され、対処できるようになっています。ネットゲームの運営はこの積み重ねですね。日々問題が現れて、それに対処していくという。「チューチューロケット!」の時は、私ひとりでネットワーク全般を担当していたんですよ。で、PSOもある程度自分でやって、もうこれは人が足りないと外木を入れてもらって。

外:結局、なんだかんだ言って2人なんですけど(笑)


「PHANTASY STAR ONLINE」
(C)SONICTEAM / SEGA, 2000, 2001

「チューチューロケット!」
Original Game (C)SEGA,1999
(C)SEGA/SONICTEAM,2001


(インタビュー:加賀(ウェブ技術部)/小磯、構成:小磯)



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