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【特別企画 Vol.4】アキバ2大マニアックショップ探訪 秋月電子通商&千石電商

2002年01月02日 15時52分更新

文● 水野

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 そしてお次は、千石電商。秋月電子と同じ通りの同じ側にあり、中は1階と地階電子パーツはもちろん、各種電子キットから工具まで、はてはよく解らない怪しいアイテムまで、豊富な品揃えを誇るショップだ。

-千石電商-意外と歴史は浅い?

千石電商・外観

 --まず、このお店の歴史を伺いたいんですが。
「秋葉原ではもう20年ですね。昭和56年開店です」
 --その頃からこういう感じのお店だったんでしょうか?
「いや、9年前に正面の、今はソフマップ5号店になってる所から移転したんですよ。そこの1階フロアのみで営業していたんですけど、タイミングよくこちらが空いたので移転しました」
 --すると、秋葉原に来る前はどちらにあったんでしょうか?
「文京区です。その当時の店舗があった場所が、今は本社になっています。創立は昭和46年。会社ができたのは古めなんですが、秋葉原に来てからはそんなに経っていないですね」
 --1階と地階に分かれているんですが、それぞれどういう品揃えになっているんでしょう?
「一階は、PC関係の各種接続ケーブル、昔からやってる電子部品、工具、あと電子工作キットといった感じです。地下は、電線とか、ケース…PC用のではなくて、電子工作向けのケースですね。あと抵抗、コンデンサが地下のほうになります」
 --地下の方は、どちらかと言えば単純というか、基本的なパーツを置いているというというように感じましたが。
「ということでもないですね。そういった部類でも一階にも置いているものもありますんで。ここに移転したばかりの頃は、地下がジャンク品という感じだったんですが、最近は扱いが減っちゃったんで、そういうイメージではなくなりましたね」
 --電子部品関係でジャンク品というとどういうモノが出てくるんでしょうか?
「例えば、使えなくなった機器から外してきた制御基盤ですとか、電源とかですね。あるいは解りやすいところではパチンコの台から外した液晶パネルですとか。そういうモノが“ジャンク品”と呼ばれるものになります」


店内の様子
店内店内

デザイナーの人も…

千石電商

 --ここに来られるお客というのは、こういったものを買われて、何を作っているんでしょう?
「様々ですけど、例えば電気電子関係の企業の方が、小ロットの製品を作って販売するためにというのもありますし、あるいは修理のために交換パーツとして買っていくですとか、現行のものを改造するですとか。学校の授業の課題のために買っていく学生さんも多いですし、メーカーの方が研究開発のために買っていかれる事も多いです。デザイナーの方々がオブジェを作るために買っていかれる事もありますよ」
 --こういった部品には規格があると思うんですけど、電化製品とかPC関係ですとか、使われているものは規格上は同じモノと思ってよろしいんでしょうか?
「まあ、同じようなモノが使われてますね」
 --すると例えば、規格上は一緒でも、例えば“この会社のこのコンデンサはいいぞ”とか、そういうメーカーごとの違いってのはあるんでしょうか?
「ありますね。こだわる人はその辺もこだわりますね。同じコンデンサでも、回路によってこのメーカーのこのコンデンサを使わなきゃダメって指定が入ることもありますし。そうでなくても回路に高いクオリティを求める方はコンデンサでもあえてタンタルコンデンサを使うとか、そういう事もありますね」


中にはこんなものも。各種ペルチェ素子と殺虫ラケット
ペルチェ素子殺虫ラケット

「よく判らないから買って試して…」

千石電商

 --で、いろいろ商品があるわけですけど、こういうものが数として一番売れてるって、そういうのってあります?
「ちょっと数では把握してませんけど、今多く出てるのは単3のニッケル水素電池ですね。もともと需要は高いんですが、特に最近、1600mAh程度が標準のところに1800mAhという大容量のものが出てきまして、よく売れています。デジカメとかでは便利ですね」
 --この業界にも、レア物とか、なかなか手に入らない部品ってのはあったりするんでしょうか?
「たとえば単体の部品でも、たまたま工場で余っちゃったモノとか、もう製造されてない部品とか、もしくはメーカーの特注で作られて表向きには出せない部品ですとか、そういう特殊なものがそれにあたります」
 --PC関係ですと、そういうレア物はインターネットで調べてみたりとか、日本のサイトになくてもアメリカのメーカーのサイトを調べてみると発見できたりとかするんですけど、この業界ではそういうレアなものの情報は皆さんどこから集めているんでしょうか?
「結局、調べてもカタログには載っていないわけで、メーカーに問い合わせても“一般には知らされておりません”で終わってしまうんですけど、まれにモノの入荷と一緒に、どこどこのメーカーに納めたとかいう、そのパーツに関わる仕様書が入手できる場合があるんですよ。で、メーカーの特注仕様で作られたっていう形跡がそういう文書から判るんです。あとそういうものがなくても、見慣れないものなので一見して特注だと判ったりですとか。後はいくら調べても出てこない場合はどこかのカスタム品だろうという予想ですね。で、詳しくは各自で買って試してみてくれ、と(笑)」



タミヤ工作セット
お懐かしや、タミヤの工作セットもこのとおり
ウソ発見器?
電子工作キットの類も豊富。楽しげというか、怪しげというか…
【取材協力】

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