三洋電機(株)は29日、半導体ベアーチップを採用した“システム・イン・パッケージ”(SIP:System in Package)として、回路部品を支持するコア(基材)を使用しない独自のコアレスSIPとして“ISB(Integrated System in Board)”を開発したと発表した。これはシステムLSIの開発において1チップ化する“システム・オン・チップ(SOC)”だけでは解決できない問題があることから開発したもの。
“ISB(Integrated System in Board)”の例 |
ISBは、複数の半導体チップと、抵抗、コンデンサー、クリスタルなどのチップ型デバイスを組み込めるのが特徴で、SIPおよびそれを利用する機器の開発期間を短縮できるという。また、コアを使用しない構造をとることで、厚さを0.7mm以下にできるため、プリント基板の中に回路を構成するような、新しい概念の回路システムを構築できるようになり、ポータブルエレクトロニクス機器の小型化、高機能化を促進できるとしている。また、放熱特性も従来より2~3倍向上するという。
従来の方式とISBの違い |
ISBの構造 |
同社では、ISBでパッケージングしたLSIを独自のパワーモジュール(HIC)に搭載し、従来の60%以下の実装面積となるオーディオパワーアンプIC の出荷を12月に開始するとしている。