初中級ユーザーに人気の高いWebページ作成ソフト「ホームページ・ビルダー」がバージョンアップし、独自のマルチメディア機能「HotMedia」のオーサリング環境を搭載した。「プロ向け」と主張するその機能の実力を探る。
リッチコンテンツが
簡単に作れる
「ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia」のメイン画面。Excelとの親和性の高さが大きな魅力。 |
ホームページ・ビルダーの人気の要因は、「簡単な操作で見栄えのするWebページを作れる」という点だ。もちろん、同様のうたい文句のソフトはいくらでもあるが、ホームページ・ビルダーの域に達しているソフトは多くはない。
あらかじめ用意されたテンプレートから、自分のセンスに近いものを選んでいじっていくだけで、見栄えのいいページができあがる。特に付属のベクター画像作成ツール「ウェブアートデザイナー」の出来が極めてよく、センスのある人ならしゃれたロゴやアイコンなどを手早く作成できるし、センスに自信のない人は付属の素材(アイコンやボタン)を並べて線で区切ったりつなげたりするだけでも、それっぽいタイトルロゴやページを飾るアクセサリを作成できる。
と、以上は従来バージョンの話だ。今回のV6.5のアップグレードポイントは、
- 「HotMediaクリエータ」の搭載
- データインポート機能の強化
- 電子透かしツールの搭載
の3つだ。
HotMediaクリエータ上で、オーディオと同期したスライドショーを作成しているところ。作成したコンテンツ(Javaアプレット)の大きさは内容にもよるが、数100KB程度が一般的。 |
応用例としては、音声付きスライドショーによる教育ページとか、スクロールやズームイン・アウトができる地図などが挙げられる。どのようなものが作成できるのは、同社のサイトにサンプルが掲載されているので参考にしていただきたい。
HotMediaで作成した、スクロールする地図。上下左右の矢印ボタンを使わなくても、地図部分をマウスでドラッグして好きな方向にスクロールできる。 |
(2)のデータインポート機能は、Micosoft Excel(97/2000/2002)のファイルを読み込んで、HTMLの<TABLE>タグに変換することができるというもの。複数のシートがあっても、順番に1つずつ指定してHTMLに挿入できるし、グラフもGIF画像として表示することができる。この機能を使うには、ホームページ・ビルダーを動作しているPCにExcelがインストールされている必要がある。
(3)の電子透かしツールとは、IBMの「DataHiding」技術を利用したもので、画像にマークを付けたり、あとから外したりする「透かしスタンプ」や、情報を画像の中に見えないように埋め込み、後で抽出できる「見えない透かし」を実現する。画像の著作権保護に威力を発揮するツールだ。
今回の3つの新機能のうち、最もウリとなっているのはHotMediaクリエータだが、使いこなすにはややスキルがいるということをからすると、従来のホームページ・ビルダーのユーザーにはやや敷居が高いだろう。「プロ向け」というIBMの主張の陰には「まだ初心者向けにかみ砕くことができていない」という本音が見える。
従来のユーザーにとっては、(2)と(3)の機能のほうが便利に感じるだろう。Excelの作表機能を利用することで、Webページに複雑な表を挿入するのが楽になる。また、プロ/アマを問わず自分の作品をWeb上で公開しているクリエータにとって、透かし機能は福音だろう。ホームページ・ビルダーには、このほか主要プロバイダに対応したftpアップロード機能を持つサイト管理機能や、CSSに対応して、ドット単位で好きな場所にレイアウトできる「どこでも配置モード」など、以前から優れた機能を多く提供している。
1万4800円とういう手頃な価格を考えれば、コストパフォーマンスの高さは素晴らしいと言えるものの、少々敷居が高くなってしまったHotMedia機能に関しては、期待が大きかっただけにやや肩すかしを食った感じもする。今後の熟成を期待したい。
ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMediaの主なスペック | |
製品名 | ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia |
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対応OS | Windows 95/98/Me/NT4.0+SP3以上/2000/XP |
CPU | Pentium以上を推奨 |
HDD | 100MB(最小構成、最大300MB) |