開催中の“CEATEC JAPAN 2001”の展示会場の(株)村田製作所ブースにおいて、身長30cmほどの人型ロボット『morph(モルフ)』がデモンストレーションで注目を集めている。
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『morph』このシリーズとして2世代目だという |
このロボットは村田製作所が、ヒューマノイド(人型ロボット)の研究開発を進めている科学技術振興事業団(※1)のERATO北野共生システムプロジェクト(※2)と協力して製作したもの。北野共生システムプロジェクトの自立型ヒューマノイドmorphに、村田製作所が開発したBluetoothモジュールを搭載し、Bluetoothの無線通信機能を使って、外部から様々な動作を指令できるようにした。morphへのBluetooth通信回路の搭載と動作試験は、北野共生システムプロジェクトが技術移転したベンチャー企業(株)ZMPが行なったという。
※1 科学技術振興事業団は文部科学省管轄の特殊法人。※2 科学技術振興事業団が運営する創造科学技術推進事業“ERATO”プロジェクトの1つで、ヒューマノイドを使った人工知能システムの研究開発を行なっている。
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morphを囲んで。左端が北野共生システムプロジェクト研究員の古田貴之氏、右端が村田製作所の山縣有樹氏 |
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morphには、村田製作所のBluetoothモジュールのほか、ジャイロモジュールが使われている |
morphは身長340mm、重さは2kgで、ロボットの関節に当たる自由度は計26。北野共生システムプロジェクト研究員の古田貴之氏によると、morphはPowerPC603-200MHzと256MBのRAM、8MBのフラッシュメモリーからなるメインコンピューター(OSはRTOSであるVxWorksをカスタマイズして搭載)と、1つで3つのモーターを制御する10のサブコンピューターが、“体内LAN”によって接続されて、全身の動きをコントロールしている。
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morphに動きの指令を出すコントロールプログラムの画面。パソコンはBluetooth機能を持ったノートパソコンを利用していた |
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起動して腕を広げるmorph |
morphは腕や脚の可動範囲の広さと、各関節のモーターに“瞬発力”や“力強い動き”といった4つのモードを持たせたことで、ゆっくりとした動きから素早い動作までこなせることが特徴で、たとえば倒れてしまっても自分で起きあがることができるという。村田ブースで1時間おきに行なわれるデモンストレーションでは、体を前に倒して手の先を床に着ける“前屈運動”や、ゆっくりとした動作に時に素早い突きの動作が混じる“空手の型”といった動きを披露している。
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歩行動作 |
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前屈姿勢から直立しようとしている |
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空手の型を演じているmorph。左手の突きを繰り出したところ |
