システムそのものの改良は最低限
むしろバリエーションの拡充を重視した内容
細かいところでは、PKを入れるとコマンドの中に「朝廷」コマンドが追加される(システム上は他勢力との交渉と同じ)。これで朝廷の使者を待たずして、能動的に朝廷との関係改善が図れるようになった。 |
答えは半分イエスで半分ノーだ。たとえば、敵大名のAIが強化された、プレイレベル「超級」モードの追加。今回PK(β版)をプレイした限りでは違いがさほど明瞭ではなかったものの、伝統的なコーエーのAIから推察すると、守備を重視した「理知的な」敵大名が増えて“電撃的攻略”が難しくなる可能性が強い。また、守備側も隣接国から援軍を呼べるようになり、軍団の運用についても“主力の駐留国”と“手薄な隣接国”というように軍団所属の武将を重点配置していても、敵大名の侵攻に対処しやすくなった(軍団AIの弱さをある程度カバーできる)。だが、リアルタイムバトルの操作性などには目立った変更は見られない。
新シナリオ「関ヶ原前夜」のスタート時点。その気になれば伊達政宗で悲願の天下取りも目指せそうだ。このほか、ミッションチャレンジモードのクリアでのみ追加される新シナリオもある。 |
ではPKでは何が強化されるのかと言えば、
- 期間限定の「ミッションチャレンジモード」導入
- 自由にイベントを作成できる「歴史イベントエディタ」の搭載
- 1573年4月「信玄死す」、1599年3月「関ヶ原前夜」など新シナリオの追加
――といった機能。端的に言えば、プレイ・バリエーションの強化が中心だ。
ミッションチャレンジモード。「群雄の章」から「夢幻の章」まで5レベルに分かれており、下のレベルのミッションをクリアしないと上には進めない。たとえば「四国の覇者」ミッションをクリアすると、北条早雲などがゲームに登場するようになる。 |
ミッションをクリアすると、新家宝や新武将の追加といった報償が付いている。多数のミッションをクリアすれば、通常シナリオの再プレイ時にも若干の変化が期待できそうだ。
歴史イベントエディタについては、詳しく説明する必要もないだろう。本体にも「本能寺の変」をはじめ70ものイベントが入っているが、やはり信長・秀吉・家康と、信玄・謙信など各地の有力大名が中心だ。自分のお気に入りのマイナー大名に、ぜひ地元の伝承をイベントとして追加してあげたい(!?)という人には待望の機能だ。
そのほか、新武将作成機能の強化(名前や列伝の自動作成など)、PKではおなじみの各種データ(人物、城などのパラメータ)エディット機能も用意されている。
そういうわけで、嵐世記マスターにとっては、PKで新たなチャレンジフィールドが大きく広がる。また、ワタシと逆に「烈風伝」の箱庭にはなじめなかった方や、リアルタイムSLGからPCゲームに入られた方で歴史SLGにも興味があるなら、これを機会に「嵐世記withパワーアップキット」を買って、嵐世記にチャレンジしてみるのもよいだろう。
歴史イベントの作成。イベントに関係する人物と条件、セリフやナレーションなどを細かく指定して、イチからストーリーを組み立てていくので、テストを繰り返しながら試行錯誤する必要がある。 |
こちらは、登場する人物の条件を設定する画面。 |
実際にイベントを作ってみた。BGMや効果音、ナレーションなども入力可能で、見栄えはかなり本格的なものに仕上げられる。 |
作成したイベントのテスト風景。なにやらNG大賞でも見るような照れくささもある。 |
開発元 | (株)コーエー |
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発売元 | 開発元に同じ |
問い合わせ先 | 045-561-6861 |
価格 | 5800円(8月3日発売、嵐世記本体が必要) 1万3800円(8月3日発売、嵐世記 with PK |
対応OS | Windows 95/98/Me/2000 |
CPU | PentiumII-233MHz以上(同-333MHz以上を推奨) |
メモリ | 64MB以上(128MB以上を推奨) |
ビデオ | 800×600~1024×768ドット/256色以上(DirectX 6.1以上) |
HDD | 100MB以上(嵐世記本体で250MB以上) |
CD-ROM | 4倍速以上(起動時必須) |