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コーエーネット、3Dモーションキャプチャーシステムを発売

2001年07月19日 20時33分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)コーエーネットは19日、カナダのPhoeniX Technologies社が開発した3Dモーションキャプチャーシステム『ビジュアライズ』に関し、同社と国内総代理店契約を締結することで基本合意したと発表した。これによりコーエーネットは、8月より『ビジュアライズ』の販売を開始する。価格は1セット4000万円で、販売目標は年間4億円(10セット)。

『ビジュアライズ』は、発信機、受信機、ターゲットコントロールモジュール、モジュールによって制御されるLED付きマーカーで構成される3Dモーションキャプチャーシステム。

ビジュアライズのデモ
本日都内ホテルで行なわれた発表会では、モーションキャプチャーのデモンストレーションが実施された。LED付き小型マーカーを付けたアクターがさまざまな動作を行なうと、その動きを四方に設置されたトラッカーがとらえ、パソコン画面にリアルタイムに表示する
ビジュアライズ画面
パソコン画面。赤い点が個々のマーカーをキャプチャーしたもの。この赤い点のモデルを、スケルトンモデルやポリゴンモデルにすることも可能

従来のモーションキャプチャーシステムは、マーカー同士が交差したり何かの陰に隠れてしまった場合、どのマーカーのデータか判別できず、キャプチャー後のデータ整理に時間がかかっていたが、『ビジュアライズ』は、モーショントラッカーが最大512個のマーカーを判別し、個々の位置データを認識できるため、マーカーが隠れた場合でもデータを自動的に補完することが可能。

また、キャプチャーをしながらパソコン画面上でリアルタイムにデータを表示できる。既存の3Dアニメーションソフト『FiLM BOX』を利用すれば、スケルトンモデルのほかポリゴンモデルでも表示させることが可能。

トラッカーは、上下左右とも±45度の範囲でキャプチャーが可能で、最大24台まで接続できる。マーカーは、他社システムで使われるようなピンポン玉サイズではなく、直径5mmの小さいサイズであるため、指先や顔など細部の動きもキャプチャーできる。

マーカーを付けたアクターゲームのアニメーションを制作する場合は、1人に付きおよそ50個のマーカーを付けるという。このシステムは最大512個のマーカーを認識できるため、計10人の動きを同時にキャプチャーできることになる

コーエーは、すでに『ビジュアライズ』をゲーム制作に利用しており、同社のゲームタイトル『決戦II』『ギタルマン』『真三國無双2』のCGアニメーションは、『ビジュアライズ』を使って制作したという。

コーエーネットは、『ビジュアライズ』を、ゲームや映画、TV番組等のアニメーション制作、特殊効果制作、機械工学、スポーツトレーニング、ファッションデザインなど幅広い分野の企業や研究機関に販売していくという。

発表会出席者
左から、(株)コーエーネット取締役会長の襟川恵子氏、(株)コーエーネット代表取締役社長の伊藤通宏氏、カナダのPhoeniX Technologies社の代表取締役社長であり工学博士のChris Ma(クリス・マー)氏。襟川氏は「モーションキャプチャーシステムは、ブロードバンド時代に向けてさらに重要となる」とコメント

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