アイエーアール・システムズ(株)は26日、都内で記者発表会を開催し、Bluetooth用の開発ツールなどを発表した。同日付けで販売を開始し、代理店である(株)ソフトボートを通じて行なう。
IARシステムズの記者発表会 |
IARシステムズはスウェーデンの組み込み向けソフトウェアベンダーであるIARシステムズ(IAR Systems)社の日本法人。6月1日に設立した。今後、製品の販売はソフトボートが、技術サポートや半導体メーカーとの折衝、OEM受注などはIARシステムズが行なうという。
今回発表した製品は、同社によると世界初のグラフィカルユーザーインターフェースを装備したBluetooth開発ツール『IAR MakeApp for Bluetooth』、開発に必要なハードとソフトをパッケージした『Bluetoothスタータキット form IAR』、Bluetoothモジュール用USBドライバーの3製品。現状ではメニューやヘルプ、ドキュメント類などすべて英語のままだが、同社では今後日本語化することを検討している。
『IAR MakeApp for Bluetooth』は、Bluetoothのプロトコルスタックを構築する開発ツール。
『IAR MakeApp for Bluetooth』 |
同社によると、『IAR MakeApp for Bluetooth』を使用すれば、GUI上で短時間に、プログラムサイズの小さいプロトコルスタックを生成できるという。『IAR MakeApp for Bluetooth』には同社のウェブサイトからダウンロードできるデモ版(スタックの生成はできない)のほか、Windows版と組み込み版がある。Windows版はプロトコルスタックをコンパイル済みのWin32.DLLとして生成し、組み込み版はANSI Cのソースコードとして生成する。
『IAR MakeApp for Bluetooth』でプロトコルスタックを開発中の画面はこんな感じ |
『IAR MakeApp for Bluetooth』は、GUI上にMCU(Micro Control Unit)や外部デバイスなど、Bluetoothのスタックやそのほかのソフトウェアなどをブロックとして表示する。コンポーネントのドラッグ&ドロップも可能。それらによって、抽象化された形でのプロトコルスタック構築が行なえるという。生成するプロトコルスタックは、HCI、L2CAP、RFCOMM、GAP、SDPなどのコアプロトコルおよびSerial Port、FAX、Lan Accessなどのプロファイルをサポートする。
Bluetoothモジュール用USBドライバーはWindows版のみで、BluetoothモジュールとパソコンをUSB接続する際に使用する。Windows 98/2000のプラグ&プレイおよびWindows NT 4.0/NT Embeddedのホットスワップに対応している。
『Bluetoothスタータキット form IAR』 |
『Bluetoothスタータキット form IAR』は、IARシステムズとスウェーデンのエリクソン・マイクロエレクトロニクス(Ericsson Microelectronics)社が共同開発したBluetooth v1.1準拠の開発キット。Bluetooth通信モジュールを搭載したメイン基板と通信のテストなどをおこなうアプリケーション、『IAR MakeApp for Bluetooth』(8月に提供予定)、USBドライバーやサンプルプログラムなどがセットとなっている。メイン基板をUSBあるいはシリアル経由でWindowsマシンと接続して使用する。Ericsson Microelectronics社も同様の製品を販売しているが、IARシステムズの製品は、メイン基板に外部アンテナ用のコネクターが装備され、ソフトウェアも充実しているという。
また、ビジネスデベロップメントマネージャーKjell ESko氏は、同社がBluetooth製品のハードウェア設計やソフトウェア開発のコンサルティングも行なうことを明らかにした。また、プロトコルスタックや製品のテストや検証も行うとしている。
ビジネスデベロップメントマネージャーKjell ESko氏 |
販売代理店のソフトボートによると、『IAR MakeApp for Bluetooth』Windows版の価格は60万円、組み込み版は600万円で、作成したプロトコルスタックの配布用ライセンスは別途請求する。『Bluetoothスタータキット form IAR』の価格は36万円となっている。