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米Symplexと東芝、斜め配線による半導体設計アーキテクチャーを開発

2001年06月05日 18時39分更新

文● 編集部

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米Symplex Solutions社と(株)東芝は米国時間の4日、対角インターコネクト(斜め配線技術)の広範な利用を実現する半導体設計アーキテクチャー“X Architecture”を開発したと発表した。併せてSymplexは、X Architectureに基づくチップ開発を可能にするインターコネクト設計テクノロジーも開発したと発表した。また、半導体大手企業は、X Architectureの可用性や実用化を促進するためのコンソーシアム“X Initiative”を5年間の期限付きで設立したと発表した。

これまで、斜め配線の導入は、カスタム設計チップの小型の手動ルーティング部分に限られおり、半導体設計の主流は、“マンハッタン”手法による直交接続構造だった。X Architectureでは、画期的なルーティングアプローチにより、インターコネクトがグリッドに制約されず、8方向に移動が可能となる。そのため、チップ上の2つのトランジスターを、遠近に関わらず、直接つなげる方法が増加するため、チップ上のワイヤー長を平均で20%減少できる。同時に、あらゆる半導体設計において、チップ性能の10%以上の向上、消費電力の20%以上の削減、歩留まりの30%以上の増加が可能になるという。直交型金属レイヤーにある既存のセルライブラリー、メモリーセル、コンパイラー、IPコアとの互換性もあるという。

このX Architectureに基づく最初のデザインとして、両社は、RISCプロセッサーコアを共同設計した。東芝は2002年からX Architectureを使用した設計を進めていく予定。

コンソーシアム“X Initiative”は、IP、EDA、IC設計、フォトマスク、半導体製造装置の分野を代表する企業で構成される。創立メンバーは、大日本印刷(株)、(株)東芝、東芝機械(株)、米KLA-Tencor社、米ニューメリカル・テクノロジーズ社、米バーチャル・シリコン・テクノロジーズ社など11社。半導体サプライチェーンに属する企業であれば同コンソーシアムへの参加が可能。

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