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インテル、教員向けに無償の情報教育プログラム開始

2001年03月28日 22時07分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インテル(株)は28日、都内で記者発表会を開催し、全国の小中高校教員を対象に、授業におけるパソコンやインターネットの実践的利用方法を無償で教える“Intel Teach to the Futureプログラム”を4月に開始すると発表した。このプログラムで使用するソフトウェアはマイクロソフト(株)が無償で提供する。

カーリーン・エリス副社長
米インテル社教育プログラム担当副社長のカーリーン・エリス氏。手に持っているのはIntel Teach to the Futureプログラムの日本語版教材

このプログラムは、インテルが世界的に進めている社会貢献プログラムの一環として行なうもので、'99年に準備を始め米国ではすでに2000年から実施している。日本では先行する各国のプログラム内容を元にしながら、筑波大学、大阪教育大学、兵庫県教育センターなどでパイロットプログラムを実施し、文部科学省の新指導要領による“総合的学習の時間”に対応するなど、日本の教育現場に合った内容を取り入れた。今回、日本向け教材が完成したことから、2001年度より実施に踏み切った。

プログラムは、授業におけるパソコンやインターネットの活用方法を、実習を通じて教員に実践的に修得してもらうとしており、全12単位36時間で構成されている。教員へのレクチャーは、インテルが定める研修を終了した認定スタッフ20人(当初)があたる。2001年度には全国40ヵ所でカリキュラムを開催し、約2000人の教員が受講する見込み。インテルはこのカリキュラムと、講師、カリキュラムで使用するテキストやサンプル教材もすべて無償で提供する。このカリキュラムで使用される『Microsoft Office Professional』『Microsoft Encalta総合大百科』は、マイクロソフトが提供する。また、受講した教員すべてに対してもこのソフトウェア2本を無償で配布するという。

田中助教授
大阪教育大学の田中博之助教授「Intel Teach to the Futureプログラムはこれから情報教育を始めようとする先生にとってたいへん優れた教材」

世界では、2002年末までに20ヵ国で40万人の教員がこのプログラムを受講する見込みだが、日本での受講者見込みは、2001年度に約2000人、2002年度に約4000人と少ない。これは、カリキュラムの受講には36時間と長い時間を必要とするが、日本の教員はまとまった時間をとることが難しいためという。カリキュラムは各教育委員会を通じて提供されるが、2001年度の予定では、ほとんどのカリキュラムは春休みと夏休みの時期に集中しているという。

Intel Teach to the Futureプログラムの単位内容(各3時間)

  1. Intel Teach to the Futureプログラムへの理解
  2. 単元プランの作成
  3. インターネットの検索とウェブサイトおよび引用リストの作成
  4. インターネットと電子百科事典を使った情報収集
  5. 児童・生徒が制作するプレゼンテーションの作成
  6. 児童・生徒が制作する発行物の作成
  7. 単元教材の作成1
  8. 児童・生徒が制作するウェブページの作成
  9. 電子メールを使ったコミュニケーション
  10. 単元教材の作成2
  11. 単元プランの完成
  12. 単元プランの評価
Intel Teach to the Futureプログラムは、パソコンの基本操作は理解していることが前提だが、パソコンの基本操作を習得できる自主学習用教材も提供される。

発表会で挨拶した、米インテル社教育プログラム担当副社長のカーリーン・エリス(Carlene Ellis)氏によると、インテルはクレイグ・バレット(Craig Barrett)社長兼CEOの指示のもと、幼稚園児から高校生までの科学と数学の教育改善、授業の中で効果的にテクノロジーを利用、より多くの人にテクノロジーに触れる機会を提供、技術系キャリアを志望する人(特に女性、少数民族)の拡大を目的として、教育支援活動“Intel Innovation in Educationイニシアティブ”を展開している。Intel Teach to the Futureプログラムはそのイニシアティブによる活動の1つで。設備や教材開発には1億ドルを投資しているという。このイニシアティブではほかに、科学コンクールである“Intel International Science and Engineering Fair(ISFF)”や、放課後の学校をネットワークで接続した学習“The Intel Computer Clubhouse Network”といった活動が行なわれている。

企業が社会貢献としてさまざまな活動を行なう例は多く、最近では日本IBM社が視聴覚障害者向けソフトを開発したり、製品販売益の一部を社会貢献活動の支援に提供する“Think the Earthプロジェクト”などを発表している。今回のIntel Teach to the Futureプログラムは、学校教育現場の教員を対象としたという点で、一般の人にもより身近で影響も大きい。日本に限らず教育現場では、授業の中でコンピューターをどのように活用していくかが難しい問題となっているということだが、このプログラムを受講した教員によって、将来のIT社会に生きる子供たちが、ただプログラムやコンピューターの操作を覚えるといったことにとどまらないIT教育を受けられることは、非常に意味のあることだ。このような活動が今後も長く続けられることを期待したい。

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