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太平洋の小国ツバルを変えた「.tv」が日本本格展開

2001年02月26日 16時32分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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オーストラリア近くに位置する人口約1万人の小国ツバルは、小さな9つの島から構成されている。インターネットの普及が、主な産業が農業という小国を大きく変えた。

ccTLDが一国の経済を変えた

一言で言うと、ツバルは運がよかった。英字で国名を書くと「Tuvalu」で、インターネットのccTLD(country code Top Level Domain)が「.tv」である。TVといえば世界的にテレビの略として通用するキーワードだ。これに目を付けた米企業.tvが、10年間に渡り総額5000万ドル(約58億円)を支払うことで、ccTLD「.tv」を独占的に登録する権利をツバルから買い取った。

ツバルのGDP(国内総生産)約700万ドル(約8億1200万円)のうち、400万ドル(約4億6400万円)を.tvからの収入が占めるようになった。昨年9月には.tvの売却で得た資金の一部を加盟費にあて、英連邦、国連に加盟した。ほかにも空港や学校、インフラの整備にその資金を活用している。ccTLDが運良く「.tv」だったおかげで、ツバルは経済的に独立し、国際社会の仲間入りも果たした。


プレミア価格を導入

米.tvが、ツバルに高額の支払いを行なえるのにはわけがある。「プレミア価格」という制度を導入しており、辞書に載っているようなだれもがほしがるドメイン名にはオークションのシステムを採用し、年間登録料を決めている。

登録料は通常であれば年間50ドル(約5800円)なのだが、たとえば「free.tv」「net.tv」が10万ドル(約1160万円)、「auction.tv」が6万8000ドル(約790万円)といった具合だ。同社は、「.com」であれば先願者が得てしまう利益を永続して自らが得られる仕組みを作り上げた。


日本での売り上げ倍増を狙う

「.tv」は昨年の取り扱い開始から約30万ドメインが登録されており、そのうち約半数が米国外からの登録となっているという。日本は英国の14パーセントに次いで、登録全体の5パーセントを占めている。

.tvのCEOであるLou Kerner(ルー・カーナー)氏は、「.tvは国際的、次世代型インターネット体験を象徴する革新性をアピールできる」とし、日本において積極的なマーケティング活動やサポートの充実を図っていくという。それにより、「全体に占める日本の売り上げを現在の倍、10パーセントに持っていきたい」(アジア太平洋マネージングディレクターのBob Neer氏)と語った。日本では、インタキュー(株)のドメイン名登録サービス「お名前.com」が受け付けを行なっている。

Kerner氏写真.tvのCEOであるLou Kerner氏

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