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Travelstar 32GH(DJSA-232)

Travelstar 32GH(DJSA-232)

2001年03月06日 03時50分更新

文● 鈴木雅暢

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ベンチマークテスト

 ここではベンチマークテストの結果を見ながらパフォーマンス面を検証していこう。ベンチマークに使用した環境は以下のとおりだが、注意事項としては、Travelstar 32GHのインターフェイスはUltraATA/66である。未だUltraATA/33の440BXを利用しているノートPCも多いのだが、今回はHDDの純粋な性能差を見るためにプラットフォームとしてUltraATA/100に対応したIntel製i815Eマザーボード「D815EEA」を利用した。接続形態は、プライマリIDEのMasterにシステム用のHDDとしてSeagate Barracuda ATAII 100を接続、セカンダリIDEのMasterに性能測定対象のHDDを接続、2.5インチHDDは市販の変換コネクタ(2.5インチ⇔3.5インチ)を介して接続している。OSはWindows 2000 Professional、ドライバは「Intel UltraATA Storage Driver」を利用、UltraATA/66動作を確認している。比較対象としては同社製2.5インチHDDのほか、3.5インチHDDの代表格として、Western Digital「WD Caviar WD400AB」(5400rpm/1プラッタ30GB)、Seagate「Barracuda ATA III」(7200rpm/1プラッタ20GB)の結果も掲載しているので参考にしてほしい。


ベンチマーク環境
CPU Pentium III-1GHz
チップセット i815E
マザーボード Intel D815EEA
メモリ PC133 SDRAM(CL=3) 128MB
ビデオ Leadtek WinFast GeForce256/DDR(32MB)
システムHDD Seagate Barracuda ATAII 100(UltraATA/100)
OS Windows 2000 Professional
追加ドライバ等 Intel Chipset Software Installation Utility v2.80.008、
Intel UltraATA Storage Driver Ver6.0
ビデオドライバ Detonator3(6.31)

ASCII Lab. DiskBenchmark -シーケンシャルアクセス-

ASCII Lab. DiskBenchmark -ランダムアクセス-

ASCII Lab. DiskBenchmark -ブロックサイズ別シーケンシャルリード-

ASCII Lab. DiskBenchmark -ブロックサイズ別シーケンシャルライト-



デスクトップ用HDDとの速度差は歴然も
2.5インチHDDでは最速

 デスクトップ用の3.5インチHDD、しかも最新最速モデルの数値を一緒に掲載してしまったため、グラフだけを見てしまうと、Travelstar 32GHの性能がどうこうよりも、3.5インチHDDとの速度差を改めて思い知って愕然としてしまうかもしれない。しかし、これは仕方がないことだ。HDDの外周と内周の回転速度は一定、記録密度も外周と内周で一定(正確にはほぼ一定)。つまりプラッタの外周ほど単位時間あたりにヘッドの下を通過するデータ量が多くなり、転送速度は速くなる。通常のベンチマークではHDDの最外周から性能を測定するようになっているため、記録密度が同じならばプラッタの直径が長い3.5インチHDDのほうが絶対的に有利だ。今回利用しているASCII Lab.製のディスクベンチマークはデータ領域を5分割して測定できるが、通常は最外周の数値のみ測定している。実際にもデータ領域は外周から使用されるため、指標として最外周の数値を使うのが適当だろう。この速度差は厳然たる事実として受け止めるべきだ。

 今回のように3.5インチHDDと比較してしまうとずいぶんと見劣るように感じてしまうが、32GHの数値は1年前の3.5インチHDD(5400rpm)と同等か若干劣る程度である。2.5インチHDDの主流であった一世代前の「Travelstar 12GN」との比較(シーケンシャルリードで20%、同ライトで30%向上)からもわかるように、ノートPC用HDDとしては画期的な性能を発揮しているといえるし、体感でもはっきりと速さを実感できる。ただし、今回のテストで使用した限り、発熱やアクセス音もノートPC用HDDとしては相当に高く感じた。同世代の4200rpm HDDであるTravelstar 20GNもかなりの性能(12GNとの比較でシーケンシャルリードで11%、同ライトで24%アップ)を発揮しているので、ノートPCに組み込むHDDとしてはこちらのほうがいいかもしれない(ただ、発熱は低いもののアクセス音はこちらも大きめだ)。IBMのラインナップには20GNと同スペックで容量30GB/厚さ12.5mmの「Travelstar 30GT」というモデル(実売価格4万円前後)もあるので、大容量が必要ならばこちらを選ぶという手もある。

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