高機能ながら簡単操作
ScanMaker8700を試用してみたところ、ほとんどマニュアルレスで使え、ハイエンドクラスのスキャナながら非常に使い勝手はよい。とくにスキャンソフトの「ScanWizard 5」のユーザーインターフェイスの使いやすさによるところが大きいのだが、ハードウェアも引き出し式のデュアルプレートにフィルムホルダを装着し、そのホルダに各種フィルムをセットするのという使い方は直感的で間違うこともない。
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ScanWizard 5のイージーモード。右のボタンから原稿タイプや用途を選択すれば最適な解像度やスキャンモードが指定される。 |
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ScanWizard 5のアドバンスドモード。メインのウィンドウのほか、各種指定を行うウィンドウが開いて細かな設定を行える。 |
さらに、一般的な原稿台上に透過原稿ユニットをセットするフラットベッドスキャナでは、透過原稿を普段使っていて反射型原稿を取り込みたい場合は透過原稿ユニットを取り外してトップカバーを付けなおしたりしなくてはならないのが面倒だ。その点、ScanMaker8700では、デュアルプレートにフィルムをセットしたままでも原稿台に原稿を置いてスキャンできる(もちろん逆も可能)のは魅力だ。
今回はUSBで利用したが、スキャン速度は全面プレスキャンで10秒、35mmポジフィルム1コマ/1200dpi(約6.5MB)の本スキャンで31秒、A4反射原稿/300dpi(約31MB)で52秒と非常に高速だ。
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スキャンサンプル 35mmフィルムをスキャンしたもの。 |
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スキャンサンプルの中央部。画面をクリックすると2000dpiのスキャンデータを画面上で確認できます(553×439ドット)。 |
価格的には、同クラスのハイエンドスキャナであるエプソンの「ES-2000」(9万9800円)+透過原稿ユニット「ESA4FLU」(5万円)+フィルムホルダ「ESFLUHLD」(1万円)とほぼ同程度となる。ES-2000の市松配置CCDによるリアル1600dpi解像度は魅力だが、デュアルプレートによるScanMaker8700の使い勝手のよさは入門者からプロユースまで満足できるはずだ。ただし、ここ数年小型化に有利なCIS(コンタクトイメージセンサ)スキャナだけでなくCCDスキャナ製品もコンパクト化が進んでいるものの、ScanMaker8700の本体は同クラスのフラットベッドスキャナに比べればかなり大きい(デュアルプレートの機構上やむを得ないのだろう)。コンパクトなスキャナからの置き換えを考えている人は、設置場所に悩むことになるかもしれないが、それに見合うメリットを得ることができるだろう。
製品名 |
ScanMaker 8700 |
光学解像度 |
1200×2400dpi |
最大解像度 |
9600×9600dpi |
入出力階調 |
42bit |
最大スキャン領域 |
反射:215.9×355.6mm、透過:203.2×254mm |
スキャン速度 |
600dpi:4ms/line、1200dpi:8ms/Line |
インターフェイス |
USB、IEEE1394×2、アクセサリポート(自動給紙装置:発売予定) |
対応OS |
IEEE1394:Windows 98 SE/Me/2000、Mac OS 9以降 |
USB:Windows 98/Me/2000、Mac OS 8.6以降 |
本体サイズ |
386(W)×565(D)×161(H)mm |
重量 |
11.6kg |