それでは、注目のベンチマークテスト結果を見ていこう。ここでは、CDRW-SX1610Bに加えて、三洋電機のATAPIインターフェイスの16倍速書き込みCD-RWドライブを採用した、ソルダム「WAI1610SB」の結果も合わせてご紹介する。
テスト内容は、以前に掲載したCD-RWドライブのベンチマークテストと同じく、(1)合計327MBのデータファイルを、B's Recorder GOLDを利用して、イメージファイルを作成してから一括してCD-Rメディアに書き込んだときの所要時間、(2)10~200MBの大容量ファイル4個(計327MB)、および数KB~10MB前後の小容量ファイル1100個(計327MB)を「B's CLiP」を使ってパケットライトでCD-RWメディア(HighSpeed CD-RW対応メディア)に書き込んだときの所要時間、の2パターン。比較対象として、ヤマハの16倍速書き込みCD-RWドライブ「CRW2100E-VK」と、過去のテストで最も高速なCD-RWメディアへのパケットライト書き込みを実現した、ティアックシステムクリエイト「CD-RW512EKB」(CD-R書き込みは12倍速)の2機種を同時に掲載する。
まず、CD-Rメディアへの書き込みだが、全域16倍速書き込みのパワーを見せるCDRW-SX1610BとWAI1610SBがインターフェイスの違いにはほとんど関係なくほぼ同程度の結果となり、3位のヤマハのCRW2100E-VKとの差は約40秒程度となった。ヤマハのパーシャルCAV方式による書き込みでは、メディアの内周部への書き込み時には最高速度が出ていないわけなので、やはり全域16倍速書き込みドライブ勢が好結果を残すこととなった。
図1 327MBのデータをCD-Rに一括書き込みしたときの所要時間(単位:秒)。 |
続いてCD-RW10倍速書き換えによるパケットライトテストの結果は、三洋ドライブ勢はわずかにティアックシステムクリエイトのドライブに及ばない結果となった。ティアックのCD-RW512EKBは、アクセスタイムが三洋ドライブよりも高速な85msで、シーケンシャルな書き込みテストである今回のベンチマークテストでもこの差が現れたのではないかと思われる。一方、ヤマハのドライブは、CD-RWメディアへのデータ書き込み(書き換え)についても、データの書き込み地点により速度が4~10倍速まで変動する「ゾーンCAV方式」という書き込み方式を採用しているため、最内周からシーケンシャルにデータを書き込んでいく今回のテストでは大きなハンデを背負うこととなってしまった。
図2 CD-RWメディアに大容量ファイル計327MB(10~200MBのファイル×4)および小容量ファイル計327MB(数KB~10MB前後×1100)をパケットライトで書き込んだときの所要時間(単位:秒)。 |
全域16倍速という、現役最高速の書き込み性能、バッファアンダーランをほぼ100%防止するBURN-Proofの搭載と、現時点においては外付けならCDRW-SX1610B、内蔵ならWAI1610SBが最強のCD-RWドライブだ。しかし、2月下旬には、CD-RWドライブメーカーとして人気、実力ともにNo.1ブランドのプレクスターから、16倍速書き込み+BURN-Proof搭載の新製品が登場する(1月16日のニュース参照)。このドライブとの「頂上対決」も興味深いところだ。
製品名 | CDRW-SX1610B |
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書き込み | 16倍速(CLV) |
書き換え | 10倍速(CLV) |
読み出し | 40倍速(CAV) |
読み出し(CD-RW) | 未公開 |
オーディオトラックデジタルキャプチャ | 32倍速(CAV) |
バッファメモリ | 2MB |
アクセスタイム | 130ms |
インターフェイス | SCSI-2/UltraSCSI |
付属ソフト | B's Recorder GOLD、B's CLiP |
価格 | 4万9000円 |