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とらっとろーど2001

とらっとろーど2001

2001年01月16日 18時34分更新

文● 中村聖司

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とらっとろーど2001

テクノブレイン

3800円

誰しもデパートの屋上で一度は遊んだ記憶があるであろう、あの「エレメカ」を忠実にデジタル化したソフトが登場! ゲームのみならず、エレメカ大図鑑あり、開発者インタビューあり、実機捜索レポートありのエレメカ情報てんこ盛りの1本。これは見逃せないぞ!

「ポルル君の旅行」。ゲーム開始前には、マウスカーソルが「10円玉3枚型」に変化して、ちゃんとお金を投入しないといけないのである。
「ミニドライブ」。20年以上前の当時はローマ字が読めなかったのでわからなかったが、北九州から札幌まで行くゲームだったのね……。

 「とらっとろーど2001」で遊べるゲームは「ポルル君の旅行」「ミニドライブ」「アンタッチャブル」「インディ500」の4台。ポルル君の旅行、ミニドライブ、アンタッチャブルは「ベルト型ドライブゲーム」と呼ばれる筐体で、道路が描かれたベルトをモーターで回し、その上に置かれた自動車が走る(ように見える)という仕組み。プレイヤーは自動車が道路をはみ出さないように上手にハンドルをさばきながら、目的地まで延々と走るのだ。PC版は、ハンドルを回しまくらないと車のハンドルが効いてくれないところや、道路の途中に同系色で示してある磁気センサーをキチンと通過しさえすれば、実はどこを走ってもいい(笑)ところなど、なにもかも忠実に再現しており、まさしく実機そのままの感覚で遊ぶことができる。



「アンタッチャブル」。これは未プレイなので、感慨薄め。上のギャングをバンバン売ってスコアを稼ぐゲーム。
「インディ500」。手前はピントが合い、奥はぼやける点が遠近感を生み出し、ちょっとしたリアルさがある。でもクラッシュします。

 最後のインディ500は「投影型ドライブゲーム」と呼ばれるもので、コース、自車、敵車という3種類の円形セルロイドフィルムに下から光を当てて、スクリーンに映し出す仕組み。PC版でも、いかにも完全アナログらしい当たり判定のインチキ臭さと、実車で身を外に乗り出してカーブを曲がっているような遠心力全開のスピード感は健在で、今あらためてプレイしても、やっぱり5秒間隔でクラッシュしてしまった。



「エレメカ大図鑑」。ページめくり式で、ちょっとした小冊子のような感覚で読めるのがいい。

 実は上記の原理説明のほとんどは「エレメカ大図鑑」を参考にさせていただいた。大図鑑には、エレメカの構造/動作原理の説明のほか、各社から発売されたエレメカが写真入りで掲載されている。上記4台の開発を行った関西精機製作所のほか、セガ・エンタープライゼス(現セガ)、タイトー、中村製作所(現ナムコ)、そしてメーカー不明のものを含む、全28台が紹介されている。さらに特別資料として、当時配布された宣伝広告のチラシや取扱説明書のスキャンデータも収録されている。残念ながらゲームの解像度が640×480ドットと低いため、中の文字が読めるまでには至らないが、当時の雰囲気はビンビンに伝わってくる。



実機捜索レポート「ポルル君発見記」。今やまぼろしの稼働中の実機を求めて、なんと淡路島まで行っちゃうのである。

 そのほか、全日本エレメカゲーム研究会(主宰:テクノブレイン、理事:三井物産関西支社、メディアクエスト、物産テレコム関西)による、関西精機製作所元会長古川氏の特別インタビューや、実機捜索レポート「ポルル君発見記」も抜群におもしろい。テキスト全体が小気味のいいアマチュアリズムに包まれていて、開発者のエレメカにかける情熱がありのままに伝わってくるのだ。書き忘れるところだったが、ゲーム操作はマウス、キーボード、ジョイスティックの3種類に対応。最近のタイトルとしては珍しく必要スペックが低く、またインストール後はCD-ROMは不要なので、ノートPCでも楽々楽しむことができる。常時手元に置いておきたくなるような、そんな1本といえる。



関西精機製作所元会長古川氏の特別インタビュー。といっても音声は入っておらず、高圧縮の少し粗めの動画と、レポート形式のテキストで読める。画面構成がナイスすぎる。
開発元 (株)テクノブレイン
発売元 開発元に同じ
問い合わせ先 075-583-1123
価格 3800円(発売中)
対応OS Windows 95/98/Me/NT4.0/2000
CPU Pentium-166MHz以上
メモリ 32MB以上
ビデオ 640×480ドット/6万色以上
HDD 20MB以上
CD-ROM 2倍速以上(起動時不要)

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