このページの本文へ

三國志VIII

三國志VIII

2000年12月22日 19時54分更新

文● 中村聖司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

三國志VIII

コーエー

価格未定(2001年春発売予定)

これが「三國志VIII」メイン画面だ。建物をクリックすると、そこで実行できるコマンドがポップアップ表示される。休養所では、「発起」「宴会」「悪口」といったVIIにはなかったコマンドが確認できる。

編集部に送られてきたリリースを一読して、まず驚いたのが「全年代」でゲームが開始できることだ。「全武将」でプレイ可能というのがVIIのウリのひとつだったが、今回はこのシステムをさらに発展させた形だ。この全年代に含まれるのは黄巾の乱(184年)から孔明没(234年)までの51年間。VIIIでは、従来のような定型のシナリオは用意されず、プレイヤーが好きな年代を定め、リスト表示される武将からひとりを選んでプレイするわけである。

そしてこれもメイン画面。VIIIでは「都市」と「城内」のふたつのメイン画面が用意されている。戦略的なコマンドは「城内」、個人的なコマンドは「都市」で両方の画面を切り替えながら内政を行っていく。

 もう少し具体的に説明しよう。「信長の野望」と「三國志」を筆頭とするコーエーの「歴史シミュレーションゲーム」シリーズは、歴史上有名な内乱や大戦の“沸点”を開発者側が選び抜き、それをユーザーに遊んでもらうスタイルを採用している。これが三國志VIIIでは、「関羽が戦死した直後の劉備で」とか、「曹操軍を蹴散らした後の馬超で」とか、「孔明が南蛮征伐を開始する直前の孟獲で」といったように、ユーザーが好きな年代を選び、自分でシナリオを描いて、ゲームを楽しむことができるわけだ。自分で説明しながら改めて思ったが、これはかなり革命的といえる。実際に動作する画面を見るのが楽しみだ。



新要素「戦法」を訓練によって強化しているところ。画面が荒くて見にくいが、劉備が率いる部隊兵科は「山岳騎兵」。槍衾(やりぶすま)の習得に励んでいるところのようだ。

 次に驚いたのが、武将が「結婚」できること。ゲーム内で結婚を仮想体験できるのは、PCゲームではそれほど珍しいことではないが、姫武将が活躍する「信長の野望」シリーズと違って、「三國志」シリーズは男だけの渋色世界というイメージが強かっただけに、楽しみな演出といえる。ただ、そのお相手が「貂蝉などの有名女性キャラクター」となっているのが少し気になるところで、ゲームの目的が変わってしまわないかと心配である。この結婚のほかにも、「義兄弟」や「好敵手」「仇敵」といった新しい人間関係が追加される模様。特に結婚システムについては、詳しく取材してくるつもりだ。



VIIで好評だった人形劇風のイベントも健在。このイベントは「関羽千里行」のようだ。関羽のお人形も実にリアル。
「戦況イベント」。どの場面で使用されるものなのかは不明。部隊を表しているコマがかわいらしい。

 そして、遂に「三國志」にも軍団長システムが搭載される。信長の野望では第6作「天翔記」および第9作「嵐世記」(今冬発売予定の最新作)で搭載されているシステムだが、VIIIでは、太守と君主の間を埋める新たな身分として「軍団長」が追加される。職務は、信長の野望のそれとほぼ同じで、複数の都市をひとりの武将に配下武将ごと任せてしまう大型委任システムだ。VIIIの軍団長システムが嵐世記より機能的に秀でている点は、プレイヤーが軍団長になる場合もあるため、君主を思いっきり裏切れるところにあるだろう(笑)。楽しみなところだ。



合戦シーンの様子。VIIで使用されていた碁盤状の舞台は取り払われている。画面には「戦法発動」と注意書きされている。ということは、先ほどの槍衾を発動したところか?
シリーズ名物の一騎打ち。写真のような美しさだ。決戦の舞台の周りにはもやが取り巻き、よくよく見ると舞台は宙に浮いている。いよいよ劇画化してきた雰囲気だ。

 そのほかにもおもしろそうな新要素が盛りだくさんのVIIIだが、最後にもうひとつだけご紹介しておくと、1国だけが突出した軍事力を備えたとき、小国同士で「連合軍」が編成できるようになるらしい。「連合協定」という形で複数の君主と交わりを結び、そのうちの1国が攻め込まれた際は、加盟国から部隊が続々と援軍に駆けつけてくる仕組みだ。これまでは、ゲーム終盤に差しかかると敵が弱すぎて戦闘が退屈になりがちだったが、VIIIでは周辺に残る小国が総力を結集して反撃してくるため、最後まで気が抜けなくなる。これは見方を変えれば「一気に残敵を撃滅するチャンス」でもあるわけで、ゲーム展開がよりスピーディーになることも予想される。ともあれ、合戦の際の両国の戦力差が縮まり、野戦がもっとおもしろくなるのは間違いなさそうだ。残る新要素については掲載画面のキャプションを参照のこと。
 より詳しい情報が欲しくなった貴方は、近日公開予定のインタビュー記事もどうぞお楽しみに。




カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ