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日立、アニメーションや水彩画を作成できる専用ペンパソコンを発売

2000年12月21日 18時37分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)日立製作所は21日、画用紙に絵を描くような感覚で、アニメーションや水彩画を作成できるペンパソコン『FRORA-ieアニメスタジオ』を発表した。同社の直販部門であるインターネットプラットフォーム事業部販売推進本部PC通信販売センタ(通称:日立ダイレクト)を通じて本日より販売する。価格は15万8000円。

お絵描き用ペンパソコン『FRORA-ieアニメスタジオ』。本体は、同社が企業向けに提供している携帯型パソコンの筐体を利用している。写真のように背面のスタンドを立てて利用したり、スタンドを閉じてスケッチブック代わりに持ち運ぶことも可能

日立ダイレクトは、同社が個人/企業ユーザー向けに発売しているパソコンに加え、日立ダイレクトのオリジナルパソコンも2000年8月より販売を開始。これまでに『将棋パソコン』、『衛星マルチキャストパソコン』、『トレーディングパソコン』、『日光アイスバックスパソコン』を販売しており、今回発表のお絵描きパソコン『FRORA-ieアニメスタジオ』は5機種目の日立ダイレクトオリジナルパソコンとなる。

専用ソフト付きペン入力パソコン

FRORA-ieアニメスタジオは、手書きペン入力を主体としたB5サイズパソコン。抵抗膜方式ペン入力タブレットを搭載した10.4型TFTカラー液晶ディスプレー(800×600ドット/26万色)を装備している。また、キーボードやマウスを接続すれば、通常のデスクトップパソコンとして利用できる。

CPUにモバイルIntel Celeron-266MHzを採用、96MBのメモリー(SDRAM)と6GBのHDD(Ultra ATA)を搭載する。PCカードスロットはTypeII×2またはTypeIII×1(CardBus対応)で、56kbpsモデム(K56flex/V.90)を内蔵する。外付けの3.5型FDDを同梱しており、インターフェースは、キーボード/マウス、USB、赤外線、ライン入力、ヘッドフォン、外付けFDD、ポートリプリケーター。電源はリチウムイオンバッテリーまたはACアダプターで、バッテリー連続駆動時間は1.5~2.5時間。本体サイズは幅265×奥行き205×高さ32mm、重量は1.35kg。

OSはWindows 98 Second Edition。アニメーション作成ソフト『手書きアニメーション』と、水彩画作成ソフト『脳の鏡 for HITACHI』をプレインストールしている。

線画アニメーションを手軽に作成できる『手書きアニメーション』

手書きアニメーションは、画面上に表示される複数の電子画用紙(最大10)に手書きで絵を描くだけで、線画アニメーションを作成できるソフト。前後2枚の電子画用紙にアニメーションの原画となるコマ絵を描き、コマ割数を設定すると、描いた2コマの中間コマ絵を自動生成する。これらの作業を繰り返すことでさまざまな線画アニメーションが作成可能。

手書きアニメーションの画面。アニメーションの原画を画面上の2枚の電子画用紙(画面上の1と2の部分)に描くと、それらの中間コマを自動作成し、アニメーション(画面中央)が完成する

線の太さは3種類、色は8色用意されている。また、作成したアニメーションは、サン・マイクロシステムズが無償提供する『JDK』を利用することでJavaアプレットとしてウェブページ上で公開できるという。

水彩画作成や毛筆書きが可能な『脳の鏡 for HITACHI』

脳の鏡 for HITACHIは、水彩画や毛筆画を作成できるソフト。パレットツールは、既存の絵の具パレットをイメージしたもので、水ツールを利用すると半透明になったりにじみ効果を付けたりできる。

脳の鏡 for HITACHIの画面。斬新な名前の由来は、頭に考えたことを鏡に映すようにそのまま画面上に描ける、というところから付いたとのこと

また、パレット上で絵の具の色を混ぜるイメージを再現しており、例えば赤色を使った後に黄色を選択すると、ペンの色はいきなり赤から黄色には変わらず、1回クリックするごとに橙、山吹と徐々に黄色に変化、合計8回クリックすると原色の黄色になる。

画面左に並ぶさまざまな色の線が、色が変わる様子を表わしたもの。まさに絵の具を使用している感覚で水彩画を描ける

さらに、再生/巻き戻しボタンにより、絵や文字を描いた順番を、ビデオのようにアニメーション再生できる。ペンの種類は平筆、丸筆、角筆、毛筆の4種類。色は原色が8色で、パレット上で混ぜたり、画面上でにじんだ色をスポイトツールで取り込むことで、最大6万5000色まで利用できる。

初めてパソコンを利用して絵を描いたという85歳の女性の作品。「思い浮かんだ俳句や絵をすぐに表現できるので便利」と語ったという
脳の鏡の応用例。写真は数学の問題に対し、生徒が脳の鏡を利用して解答したもの。再生機能により、生徒が解答に至るまでの経緯がわかる。また、小学生に漢字を書かせ、筆順チェックを行なうといった利用も可能

なお、手書きアニメーションと脳の鏡 for HITACHIは、(株)手塚プロダクションが運営するウェブサイト“手塚治虫@ワールド”で、『子供の自己表現ツールソフト』として2001年1月中旬に利用できるようになるという。

日立はFRORA-ieアニメスタジオについて、自由な創意工夫とアイデア創出を育て、子供の情操教育や生涯学習などに役立つパソコンだとしている。

日立ダイレクトが販売している将棋パソコン『FLORA-ie将棋』。日将連ネット対応のインターネット将棋ソフト『NSN端末 for Windows』をプレインストールしている
同じく日立ダイレクトが販売している、アイスホッケーのHC日光アイスバックス公認のパソコン

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