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RUNE

RUNE

2000年12月20日 21時24分更新

文● 内田

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 さて、この手のゲームでは、グラフィックスと同様に注目されるのが、敵モンスターのAI(人工知能)だ。このRuneでも、モンスターのAIは巧みな作りこみがなされている。人間および人間型のモンスター(ゾンビのようなアンデッドモンスターは別)は、主に、勇敢に立ち向かってくるタイプ、一目散に逃走するタイプ、傷がひどくなると逃げるタイプなどが存在する。これに加えて、群や集団で行動するか単騎で動くか、という違いもあるのだが、動物や昆虫のような姿のモンスター類には、群行動をとるモノも多い(特に昆虫はこの傾向が強く、小型の甲虫の大群なんていったら、そりゃあモゾモゾ怖い……)。

ワラワラと群で行動する巨大甲虫。ただでさえ甲羅が硬くて苦労するのに、この数となるとかなりツラい……。弱点は、奴らの攻撃の要でもある手のハサミ。ここは意外と打たれ弱いらしい。また、体を攻撃するとまれにひっくり返すことができる。このとき奴らは無防備な状態になる。

 さらに、本作では、敵キャラクター同士での力関係というか、仲不仲というのもあるようで、小鬼のような人間型モンスターが、数匹で昆虫型モンスターを袋叩きにしている、とか、近づくと攻撃してくる植物型モンスターが、近所を歩いているモンスターに突如攻撃して殺してしまう、なんてこともゲーム内では頻繁に見られる。敵キャラクターたちのこういう習性を利用すれば、たとえば昆虫の大群がいて一見自らかなりの傷を覚悟して突破しなければ先に進めないようなところでも、小鬼が数匹たむろしているスペースに引き連れていってしまえば、自分を含めた3勢力の乱戦に持ち込むことができる。このように上手に立ち振る舞えば、大軍を相手にしても、それぞれの敵を各個撃破する状況を作れたり、勝手にモンスター同士を争わせておいて、自分は振り切れなかった少数の追っ手だけ処理し、とっとと先に進んでしまうなんてことも可能だ。



ちょっとわかりにくいが、洞窟の奥のほうで小鬼と巨大甲虫が格闘している。あまりに近づくとモンスターたちは、もちろん主人公めがけて襲い掛かってくるが、このようにモンスター同士でも、種族が異なれば争いになることもある。この習性をうまく活用したいところだ。
Ragnerの目の前にあるのがスイッチ。これらのスイッチを「Use」ボタンで押してやると「何か」が起きる。ちなみにこのスイッチは、押すと拷問用の炎が壁から噴射される(笑)。

 各ステージの進め方の基本は、アクションアドベンチャーゲームによくある、障害物を乗り越え、巧妙に配置されたスイッチを押してドアを開けたりエレベータを起動したりといったフラグを立て、場所によってはハンマーや斧系の武器で壁に穴を開けながら進む、というものだ。自キャラのアクションには、壁をよじ登る、天井から釣り下がっているロープやツタ、鎖を登る、といったものも用意されているので、ジャンプだけでは到達できないような場所だったり、周囲にスイッチ類がないのに完全に閉じてしまっている扉があったりしても、足場を上手く使ったりしていけばたどり着けたり、壁をつたって迂回してから上手にダイブすれば目標の部屋に飛び込めたり、といったこともよくある。



ゲーム序盤の地下水脈最強の敵、巨大肉食魚。Ragnerは水中では武器を振るえない上、こいつに食いつかれたら丸呑みにされる、つまり即死だ。気配を感じたら、とっとと逃げるべし!

 戦闘のド派手さにばかり目が行きがちの本タイトルだが、ステージを攻略するには、冷静な観察眼とジャンプテク、そして少しばかりのパズル勘が必要だったりするので、総合的なゲーム難易度はかなり高めといっていいだろう。また、一撃喰らっただけで即死してしまうトラップ(人工的な罠だけでなく、溶岩流や巨大落盤などもある)や、モンスター(序盤に登場する地下水脈の巨大魚なんて一瞬で丸呑みにされてしまうほどの凶悪さ。近づかなければいいだけの話だが……)も登場するなど、気を抜くといきなりゲームオーバーというシーンも少なくないので、こまめなセーブは必須だ。でも、本編の盛り上がりに気を取られて、「先へ、もっと先へ!」とヒートアップしていると忘れがちになってしまうんだな……。



地下水脈と溶岩流を越えた先にある地下神殿。複雑に入り組んだ通路とトラップ、スイッチ類、さらにはアンデッドモンスターがぞろぞろという場所だが、そのグラフィックスのおどろおどろしさと美しさには一瞬息を呑むものがある。
 Runeは、重苦しい雰囲気満点のグラフィックス、戦士の力強さをビンビン感じさせる戦闘シーン、そして意外と細やかな神経を要求するアクション要素と、これまたG.O.D.のタイトルである「Heavy Metal:F.U.K.K.2」と同様に、非常にハイレベルな仕上がりを見せる良質の3Dアクションアドベンチャーゲームだ。重厚でシリアスなストーリーと世界観が好きで、戦闘もガンガン楽しみたいぜ! という人にはぜひともお勧めしたいタイトルだ。
開発元 Gathering of Developers/Human Head Studios
発売元 (株)P&A
問い合わせ先 042-525-9501
価格 8800円(発売中、Macintosh版1月26日発売予定)
対応OS Windows 95/98/Me/NT 4.0+SP3/2000
CPU PentiumII-300MHz/Celeron-300AMHz以上/K6-2-300MHz以上
メモリ 64MB以上
ビデオ 512×384~1920×1440ドット/6万色以上(Direct3D、OpenGL、Glide対応)
HDD 200MB以上
CD-ROM 4倍速以上(起動時必須)
マルチプレイ 最大8人までの通信対戦(TCP/IP)

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