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【OOW2000 Vol.3】Oracle9iは来年、Application Serverからリリース

2000年12月14日 16時21分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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日本オラクル(株)は東京・東京ドームシティでプライベートショー「Oracle OpenWorld 2000」を15日まで開催している。そこで、「Oracle9i」について、発表が行なわれた。

日本オラクルは、日本ではまずアプリケーションサーバ「Oracle9i Application Server」のRelease 1を来年1月に、そしてRelease 2を来年4月に出荷の予定と発表した。データベース「Oracle9i Database」のほうは、来年春にβ版が公開され、夏以降にRelease 1が出荷になるという。


2つの製品にすべてが詰まっている

米Oracleの上級副社長でインターネットプラットフォームマーケティング総責任者であるJeremy Burton氏は、「Oracle9i Databaseと同Application Serverは、完璧でシンプルだ。この2つの製品にすべてが詰まっている。複雑だった過去の製品の痛みを忘れることができる製品になったと思う」と、Oracle9iを評した。

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米OracleのJeremy Burton上級副社長

キャッシュとクラスタリングでパフォーマンスを向上

今回の製品では、Oracle9i Databaseにクラスタリング機能「Oracle9i Real Application Clusters」が、Oracle9i Application Serverには「Oracle Web Cache」「Oracle Portal」の機能が追加されたのが大きな特徴だ。

Oracleは従来からパラレルデータベースの機能を提供してきていたが、それではノードの数が増えるに従ってノードあたりの性能が劣化が生じていた。今回のOracle9i Real Application Clustersではそれがなく、ノードの増加に対して正比例した性能が確保できるという。

  • シングルノード 1026ユーザー
  • 2ノード 1900ユーザー
  • 3ノード 3648

  • 8ノード 8000ユーザー

「4、8ノードになると、線形のスケーラビリティを超える。これを我々は“スーパースケーラビリティ”と呼んでいる」(Burton氏)


キャッシュで150倍のパフォーマンスを確保!?

続けてBurton氏は、Oracle9iの新しいキャッシュ機能である「Oracle Web Cache」を紹介した。これは従来からある静的なコンテンツのみを対象としたキャッシュ機能ではなく、動的なコンテンツのキャッシュも可能という。

同機能は、Oracleの社内でも利用しているといい、キャッシュを使用していないときは1秒あたり50ページの性能だったのが、キャッシュをオンにすることで1秒あたり7500ページと150倍も向上がみられるという。

「少なくとも競合他社の製品と比較して3倍のスピードを提供できる」(Burton氏)と語った。

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Oracle9i Application Serverの構成イメージ

Enterpriseポータルが新しいデスクトップになる

アプリケーションサーバのもう一つの新機能「Oracle Portal」は企業ポータルの構築を支援する機能で、パーソナライズとシングルサインオンを提供する。パーソナライズは、「Portlets」というコンポーネントを集めて組み合わせるだけで実現できるとし、Oracle社内では2000のコンテンツを社員4万5000名が利用しているという。

米OracleのSohaib Abbasi上級副社長は、「インターネット時代以前には、ユーザーはデスクトップ画面で情報を探していた。それがインターネット時代になると、ポータルに行き、そこで必要な情報を得るようになった。Enterpriseポータルは、新しいデスクトップに相当するものであり、モダンなデスクトップだ」と、説明した。

image米OracleのSohaib Abbasi上級副社長

このPortletsのコンテンツは、提携するコンテンツプロバイダーから提供される。日本では、(株)インプレスコミュニケーション、エキサイト(株)、(株)日経BP、米factivaがコンテンツを提供することが決まっている。「来年以降、Portletsを推進していく」(保科実執行役員)と、Portletsのコンテンツを拡充していくと語った。

なお、Oracle Web CacheとOracle PortalはRelease 1には搭載されず、来年4月にリリース予定のRelease 2からの採用になるという。価格については、従来と同様の価格で提供するということだ。

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