(株)メディアバンクスは12日、携帯電話用のインターネットコンテンツ“Pocketti”(ポケッチ)を発表した。
携帯電話の中に自分の家が持てる
Pockettiは、自分の写真付きホームページを作成し、携帯電話で複数の人とコミュニケーションを楽しめるサービス。
店舗などに設置される専用端末『ポケッチスタンド』でユーザー登録を行ない、プリクラ感覚で写真を撮影すると、登録情報と写真のデータが管理サーバーに送られ、データをもとに写真付きのユーザー専用ホームページである“家”を作成、その後ユーザーの携帯電話メール宛に専用URLを通知する。写真の代わりにイラストを利用することも可能。
専用端末のポケッチスタンド。タッチパネル方式の画面を操作し、ユーザー登録と写真撮影を行なう。端末の中身はWindows 98パソコン。2001年3月以降に投入する量産型端末はWindows CEベースになる見込み |
ユーザー専用ホームページは、設定変更などを行なう“マイルーム”、他のユーザーもアクセスできる“表札”、掲示板の“リビング”などが用意されている。また、ヘルプ機能としてキャラクターの“ポケちん”が操作方法などを教えてくれる。
Pockettiは、コミュニティーを形成する際に“町”の概念を導入、それぞれのユーザーの“家”(ホームページ)は、“町”の中に存在する。“町”は、提携企業が運営する町や、ファッション/音楽など趣味の町など複数用意されている。また“町”にはそれぞれの“家”のほかに、メールマガジンを発行する“新聞屋さん”、バナー広告を発行する“商店街”、アンケートなど行なう“住民投票”、出会いサービス“町内会名簿”などの機能を搭載する。
同社は今後の予定として、現在登録されている町から別の町へ移動できるサービス“不動産屋”、チャットルームなど自分の家に新しいモジュールを追加できる“大工さん”、Pockettiサービスをユーザーに忘れさせないために強制的に火事や台風などのイベントを町に発生させユーザーに通知する“災害”、ポイントサービス“通貨”、オリジナルゲームなどを追加するという。
料金は、登録料が1回200円。サービス利用料は無料で、通信費が別途必要。メインターゲットは10代後半から20代前半の女性で、非PCユーザー。インターネットサービスだと知らずに携帯電話メールを利用しているユーザーがターゲットという。
マツキヨに専用端末を設置
Pockettiのビジネスモデルは、ロケーション型とコミュニティ形成型の2種類がある。ロケーション型はポケッチスタンド設置地域に密着したビジネスモデル。例えば、八王子駅前のファーストフード店にポケッチスタンドを設置し、その端末で会員登録したユーザー向けに八王子駅前周辺の地元商店街が広告を配信するというもの。1000人に配信する場合の広告配信料は1回1万円。
コミュニティ形成型は、企業向けに町をカスタマイズして運営するビジネスモデル。例えばポケッチスタジオを全国展開している販売店チェーンの各店舗に設置、その端末で会員登録したユーザー向けに、販売店に関連した広告を配信する。
同社は、2001年1月10日に東京/台場のメガウェブと、(株)マツモトキヨシの運営するドラッグストアチェーン『マツモトキヨシ』渋谷2店舗にポケッチスタンドを設置、Pockettiサービスをスタートする。その後3月初旬にポケッチスタンドの量産を開始、2001年9月までにポケットスタンドを全国で1000機設置し、会員数を100万人にするとしている。
また同社は、マツモトキヨシのほか、CDショップチェーンやカーショップチェーン、コンビニエンスストアなどにもポケッチスタンドを設置するべく話を進めているという。
メディアバンクス代表取締役社長の水野泰行氏。「メディアバンクスは、Pockettiの事業開始に先立ち、11月21日に設立した会社。ソフトウェアや、ネットワークを利用したシステムの企画、開発、コンサルティング、サービス運営などを行なう」 |
(株)マツモトキヨシのホームセンター事業本部である松本清雄氏。「2001年3月までは、渋谷や六本木、新宿、池袋など10店舗に端末を設置し、反応がよければ全店に設置する。マツキヨファンに同じコミュニティに集まってもらうのが目的」 |
同社は、将来的にはインターネットサービスプロバイダーと業務提携し、PockettiをPC上でも展開したいとしている。