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NEC、姫路工大、SIIが、3次元立体構造を作るナノテク技術を開発

2000年12月08日 17時59分更新

文● 編集部

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日本電気(株)、兵庫県立姫路工業大学、セイコーインスツルメンツ(株)(SII)の3者は7日、共同で、100ナノメートル(nm:100万分の1mm)以下の任意の3次元構造体を作製する技術を開発したと発表した。併せて、今回の技術を用いて、炭素を材料とした外径が2.75μm(通常のワイングラスの約2万分の1)というワイングラスの製造に成功したことを発表した。

写真ナノワイングラス

今回開発した超微細な立体構造の製造法は、原料ガス中を、10ナノメートル程度に集束したガリウム集束イオンビームをナノメートルレベルの精度で立体走査する技術の開発により実現したという。立体走査は計算機制御され、3次元CADが利用される。この技術を用いると、集束イオンビームで誘起された表面反応により、原料ガスで決定される材料で構成される、100ナノメートル以下の超微細な立体構造物が製造可能となるという。

写真
ナノコイル(外径:0.6μm 線幅:0.08μm)

今回の3次元ナノテクノロジーを用いることで、これまでの手法では製造することが困難であった、ミクロン(μm:1000分の1mm)からナノメートルサイズの高精度かつ任意の形状の超微細立体構造が、任意の材料で製造できるようになるという。

また、今までは不可能であった、神経系などの生体機能の計測、光通信向けの高性能な制御素子の作製、超微少なセンサーやスイッチなどの作製が可能となり、ナノエレクトロメカニクス、ナノ光学、ナノ磁気デバイス、バイオナノチップやナノ計測分野などにおける飛躍的な性能向上と新分野の開拓が可能となるとしている。

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