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【WORLD PC EXPO 2000 Vol.5】島津製作所が軽量のSVGAヘッドマウントディスプレーを製品化

2000年10月17日 21時49分更新

文● 編集部 佐々木千之

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17日から開催中のWORLD PC EXPOにおいて、(株)島津製作所はかねてから開発を進めていたSVGA(800×600ドット)フルカラー表示が可能な単眼式ヘッドマウントディスプレー(HMD)『Data Glass 2』を製品化し、OEM向けに供給可能になったと発表した。

『Data Glass 2』を装着する、島津製作所航空機器第2営業課主任の中原康博氏

島津製作所の航空機器事業部は、戦闘機やヘリコプターなど航空機用のヘッドアップディスプレー(HUD)を手がけており、防衛庁向けでは100パーセントのシェアを持つ。その技術を応用し、これまでカーナビゲーション用、電車用、製造ライン監視用HUDを製作。また、バーチャルリアリティ研究用に、立体感を表現できる複眼式HMDも開発、OEM供給している。'92年からは作業支援用として、単眼式のHMDを開発し、これまでにNTSC入力(18万画素)の『Data Glass』、VGA(640×480)カラー表示が可能なHMDを商品化している。このうち、VGAモデルは米国のウェアラブルPCメーカーであるザイブナー社にOEM供給している。

島津製作所では単眼式HMDを、複眼式と比較して軽量で、両手で作業が可能、片目は裸眼となるため視界がシースルーとなるなどの特徴を持つとしている。ザイブナー社にOEM供給していたものは、先方の使用に合わせる形で450gと大型だが、今回のData Glass 2では独自の光学設計により70gを切る軽量(ケーブルの重さはのぞく)となった。SVGAカラー表示のHMDでは、オリンパス光学工業(株)の製品があるが、100gを超える重さがあり、Data Glass 2の方が30g以上軽量である。

Data Glass 2の全景。頭にセットする部分のアームは折り畳むことができる
Data Glass 2のHMD部分のアップ

島津製作所のブースで行なわれているデモンストレーションでは、パソコンとの接続には小型のインターフェースユニットを介し、DFPコネクター(デジタルRGB 24bit)に接続している。電源は同じくインターフェースユニットから出ているUSBコネクターで、パソコンのUSBポートから供給していた。HMDを装着した場合の見え方は60cm先に13インチのモニターを見ているイメージ(対角は30度)という。接眼ユニットの中に小型の液晶ディスプレー(サイズは未公開)が入っており、白色LEDをバックライトとして使用している。レンズはプラスチックの非球面レンズを3枚使用しているという。外景光の透過率は15パーセントで、周りが明るすぎて見づらい場合には、光を低減するカバーを装着することで、3パーセントの透過率となる。

HMDは額の部分を挟み込むような形のガイドに取り付けられており、左右と角度の微妙な調節も可能。また、ケーブルを出す方向を変えることで、右目用にも左目用にも使用できる。装着してみた感じでは、単眼式ということで圧迫感は少なく、画質も非常に鮮明な印象を受けた。上から支えているため、首を左右に振った場合でも画像が見うしなうことはなかった。

用途としてはウェアラブルPC用ディスプレー、ハンディーターミナルのディスプレー、携帯電話のディスプレーなどを想定しているという。島津製作所単独で販売する計画はなく、OEM供給のみに特化する。メーカー名は明らかにできないが、複数のパソコンメーカーと商談が進んでいるという。

Data Glass 2は光学系などで若干のチューニングが必要というが、基本的には量産出荷が可能な状態。「OEM供給のため、ユーザーが購入する価格はいくらというのは難しいが、13インチのSVGA液晶ディスプレーよりも安い価格ということを考えている」(島津製作所航空機器第2営業課主任の中原康博氏)という。

画質が鮮明なため省スペースのディスプレーとしての用途も十分考えられる。パソコンメーカーのオプションということであれば、専用のインターフェースになってしまう可能性もあるが、サードパーティーから汎用のパソコン用ディスプレーとして発売されれば、セカンドディスプレーとして面白い存在になりそうだ。

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