(株)エヌ・ティ・ティ エムイー(以下NTT-ME)と(株)エヌ・ティ・ティ エックス(以下NTT-X)が開催したプライベートショー「NTT-ME|NTT-X PRIVATE SHOW 2001」から、ASPサービスとe-Learningの現状を探ってみた。
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NTT-ME|NTT-X PRIVATE SHOW 2001の会場風景 |
ASPはサービス品目の拡充が課題
NTT-MEは、グループウェアを中心としたASPサービス「ME WAVE ASPサービス」を展示した。グループウェアを提供する「Intra-Mart(スタートパック)」は初期費用が3万円、月額利用料は2500円(1ID)の料金で、掲示板やスケジュール管理、施設予約、勤務管理、旅費管理といった基本的なグループウェアの機能を網羅している。
ショーでは、このスタートパックにオプション機能を追加するASPサービス「E-TOSnet」「Web翻訳サービス」「デジタル法令集」(すべて仮称)の展示を行なった。
E-TOSnetは事務用品の購買システムで、NTTグループで利用していたものをASP化したものだという。品数は約16000アイテムが用意されている。NTTグループの配送システムを利用して事務用品が配達される。来月にサービス開始の予定で、初期費用5000円で月額料金が無料という料金で検討中という。
Web翻訳サービスは、Webページで使われている言語を任意の言語に翻訳して表示できるサービスで、日本語や英語、中国語、韓国語など10カ国語以上に対応しているという。料金は無料~300円/ID程度の低料金を考えているという。なお、これらはIntra-Martのオプション的な扱いとなるので、Intra-Martの利用が必須となる。
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E-TOSnetの画面イメージ |
説明員によると、グループウェア利用のターゲットになると思われる、従業員数が20~30人程度の企業では、「インターネット接続環境がまだまだ大企業に比べてる遅れている状況」という。「インターネット接続の中心は、専用線ではなくダイアルアップが中心。大きなファイルをやり取りするようなASPサービス(たとえばCADのASPサービス)を提供するには、まだ時期が早い」と語っていた。
Web Based Training(WBT)の現状を語る
NTT-X、イーキューブカンパニーのプレジデントである福原美三氏は、e-Learningの現状やサービスについて講演を行なった。
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イーキューブカンパニープレジデントの福原美三氏 |
イーキューブとは、研修に関係する3つのE
- Endeavor 努力する
- Establish 地位を確立する
- Enrich 個人・会社を豊かにする
の、Eの3乗という意味のネーミングという。
福原氏は、「e-Learningは導入するかどうかという時期から、どう使うかという時代に入った」と語る一方で、「まだ遠隔学習と同義と思われている場合も多い」という。「e-Learningは、インターネットを中心とするIT技術により、飛躍的に効果的に効率を高めた学習環境のこと。Anytime、anywhere、anyoneがキーワード」と説明した。
なぜ今e-Learningなのか?に対しては、
- IT革命による構造変化やIT技術者の不足などの社会的要請
- インターネットの普及、教室型の2分の1のコストという経済的条件
- インターネット技術と教育支援技術の成熟
の3点を挙げた。
e-Learningに関する米国での調査では、「どこで研修を受けたいか?」に対して、
- 自分のデスク 47パーセント
- 研修センター 20パーセント
と、自分のデスクで学習したい人が多いという結果だったという。
次に自分のデスクで受けたいと答えた人に対して、「では、いつやりたいのか?」と問うと、
- 就業前 16パーセント
- 就業後 17パーセント
- 昼休み 16パーセント
- 仕事中 29パーセント
という答えだったという。
同氏は、「e-Learningは、いつでもどこでも研修ができるというだけでなく、mentor(メンター)という助言者が、随時アドバイスを与えたり、模擬試験を提供したりすることも重要」と、自己学習では得られないサービスも、e-Learningサービスに望ましいと語った。
NTT-Xは、現在e-Learningサービスとして、ITプロフェッショナル養成コースやITユーザー養成、MBA入門、TOEICのコースを提供しているが、今後これ以外の各種コースも充実させていく予定という。
