このページの本文へ

「不退転の覚悟と思いを込めたもの」と日立の庄山社長

2000年09月26日 18時38分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)日立製作所(以下、日立)は26日と27日の両日、都内においてプライベートショー「HITACHI ITコンベンション2000」を開催している。初日には、日立の庄山悦彦取締役社長と、米Microsoftの古川亨副社長が講演を行なった。講演で庄山社長は、「i.e.HITACHIプランは、私の不退転の覚悟と思いを込めたもの」と、日立の変革に臨む気持ちを語った。

日立の本気をアピール

講演を開始した庄山社長はまず、昨年11月に発表した製造業からソリューション企業への変革を軸とする中期経営計画「i.e.HITACHIプラン」について、「私の不退転の覚悟と思いを込めたもの。i.e.HITACHIプランは、私の決意表明の言葉」と、大げさとも思える言葉を口にし、経営計画の実現にかける意気込みを表わした。

日立の庄山悦彦社長

「顧客の事業環境が激変している。それに対応するには日立がまず変わらなければいけない。変化の創造を社員、組織に求めてきた。1つはスピードアップ。これにより顧客の先行者利益に貢献できる。2つ目は知識とITの強化。あらゆる「Needs」と「Wants」に対応できる。日立ならではの最新、最強のソリューションを提供していく。グループ内リソース、アライアンスの活用も強化につながる」

「社内意識の改革では、社員と私をつなぐ「庄山オンライン」の開始、服装のカジュアル化、ストックオプションの導入、福利厚生のカフェテリアプランの導入など、自由かっ達な社風を目指している」と、日立の変革について説明した。

庄山社長はこれらの取り組みにより、顧客にベストなソリューションを提供できる「ベストソリューションパートナー」を目指すと語り、1日の半分を顧客と会う時間に費やしている自らも「ベストソリューションパートナーになるように努めていく」と述べた。

この講演は、まるで自らの決意表明を聴衆に聞かせているかのような語り口、聴衆でなく社員に向かって語っているのではないかと思える部分があるなど、普段の講演とは違った趣きだったのが印象に残った。


古川氏は.NETを伝道

Microsoftの古川副社長は、「インターネット第一世代のWebの時代の限界が見えてきた。閲覧しかできない。ユーザーが行なえることに制限がある。Webサイトやデバイス間の連携の欠如、キーボードで入力し、テキスト中心など限界や制限がある」と、第一世代の問題点を指摘した。

Microsoftの古川亨副社長

「次世代のインターネットは、インターネットを基盤とし、「.NET」と呼ばれるサービスとしてのソフト群が動く。時や場所、デバイスを問わず、ソフトウェアで(インターネットの)可能性を広げる。サービスをいろいろな機器で、サービス間の連携をしながら、複合的なサービスを提供したい」と、インターネット第二世代は.NETアーキテクチャが担っていくのだと説明した。

Windowsから.NETへの移行については、「DOSからWindowsへの変化と同等の変化をこれから遂げるんだと、Bill Gates氏が言っている」と、劇的な変化をもたらすと語った。

また.NETでは、ユーザーが能動的に何かを行なうよりも、「向こう(Webサイト側など)から提案してきたり、通知してくるようになる」と、まさに“サービスが提供される”状況になるという。

.NETのデモ。スマートカードで新しい携帯電話にすぐ内容をセットアップしたり、個人情報が医者の元に送られたり、保険会社のリストを照会といったことをXMLベースの.NET技術で実現するというビデオを見せた

「Microsoftは1975年に創業し、全ての机に家庭にコンピュータをというビジョンの元で活動してきた。25年経ったが、新たなソフトウェアプラットフォームを創造しようという情熱がある。時や場所、機器を問わず、ソフトウェアで可能性を広げるというのが、今後のビジョン」と締めくくった。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン