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米Y Media、317万画素のCMOSイメージセンサーを発表

2000年09月14日 23時10分更新

文● 編集部 佐々木千之

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半導体イメージセンサーの開発・設計を行なう米Y Media社は14日、デジタルカメラに向けた2分の1インチで317万画素の(※1)CMOSイメージセンサー『YM-3170A』を日本向けに出荷すると発表した。11月に試作を終了し、2001年始めに大量生産を予定しているという。

※1 Complementary Metal-Oxide Semiconductor(相補型金属酸化膜半導体)

『YM-3170A』

Y Mediaは'99年3月にカリフォルニア州アーバインで設立されたベンチャー企業。コンシューマーエレクトロニクス市場に向けた高解像度のイメージセンサーと、携帯型コンシューマーエレクトロニクス市場に向けた組み込みイメージセンサーの開発・設計を行なっている。日本には今年1月に日本支社開設準備室を設置しており、年内に設立したいという。半導体製品の製造では、台湾の半導体メーカーTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)と共同開発契約を結んでおり、今回のCMOSイメージセンサーもTSMCが製造している。

今回発表されたYM-3170Aは同社のイメージセンサー“C3D”(シーキューブドディー。CMOS Color Capture Deviceの意)シリーズの中核となる2分の1インチ317万画素製品。0.25μmプロセスで製造されており、1ピクセルあたりのサイズは3.3μm四方。得られる画像サイズは2056×1544ドットで、フルサイズのデータを毎秒30フレームで読み出せる。現在コンシューマー向けデジタルカメラで利用されている、300万画素CCDとほぼ同じ撮像エリア(縦横比4:3)で、CCDからの置き換えを狙ったもの。

同社社長兼CEOのイアン・オルセン氏。手前の黒い楕円が同社のロゴマーク

同社のイアン・オールセン(Ian Olsen)社長兼CEOによると、現在デジタルイメージング市場で一般的なCCDイメージセンサーでは、CCDデバイスの他に複数のサポートチップが必要で、動作に15V、9V、5V、2V、-6.5Vといったように何種類もの電圧を供給する必要がある。さらに、製造に関してもCCDデバイス専用ラインを用意する必要があるという。これに対してCMOSイメージセンサーでは、周辺チップが不要、単一電源での動作、CCD比で3~10分の1の消費電力、通常の半導体生産ラインでの製造が可能など、数々のメリットがあるとしている。

Y Mediaの資料によるCCDとC3Dの比較(将来実現するものを含む)

技術 CCD C3D
必要電圧(V) +2、+5、+9、+15、-12V、-6.5V +2.5V
消費電力 900~1500mW 25~100mW
フレームレート 毎秒6~24フレーム 毎秒30フレーム
イメージセンサーに対するサポートチップの数 5 0
オルセン氏のプレゼンテーションで使われた撮影画像の例。左側画像の緑の枠線内を拡大したものが右に示されている。従来のCMOSでは得られなかったシャープさを実現したという
画像表示用デモに使われた、YM-3170Aを使った実験機

またC3Dイメージセンサーでは、CCDではカメラのシステム内で行なっていた画像処理を、イメージセンサーチップ上に回路を追加して処理させることができるとし、今後撮影画像に自動的にデジタルすかし処理を行なったり、顧客の要求に応じて特定の画像処理を行なうことが可能になるとしている。

CMOSイメージセンサーは、消費電力の小ささや感度が高いなどのメリットがあるものの、ノイズが多く現在のCCDほどの画質が望めないとされ、キヤノン(株)が一眼レフタイプのデジタルカメラ『EOS D30』に独自開発の325万画素CMOSイメージセンサーを搭載したほかは、解像度の低い低価格デジタルカメラや携帯電話など携帯性重視の製品にしか使われていなかった。

Y MediaではYM-3170Aで、デジタルカメラに必要な解像度、パフォーマンス、画質を備えつつ、消費電力を抑えたことを武器に、デジタルカメラメーカーに販売していきたいという。現在世界で生産されているデジタルカメラ、特に高解像度のものはほとんど日本で生産されており、当面は「100パーセント日本市場だけをターゲットとして販売を行なう」(同社日本支部ディレクターの鶴田氏)としている。日本で需要が拡大した場合の生産力不足をにらみ、日本の半導体製造メーカーによるライセンス生産も考えているという。

具体的な画素数は明らかにされなかったが、今後より画素の多い製品と、少ない製品の両方を計画しているという。また、将来は画像も音声も扱える“オーディオヴィジュアルマルチメディアエンジン”に発展させたいとしている。

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