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フュージョンワン、PC/携帯端末のスケジュールを同期できる新サービスを9月に開始──やりかけの仕事もFDなしでお持ち帰り可能

2000年08月23日 21時41分更新

文● 編集部 小林久

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フュージョンワン(株)は、インターネットを利用してPCやPDAの情報を同期できるサービスを9月1日に開始する。米国でのサービスは約3ヵ月前から開始しており、約8万5000人が利用している。今回ソフトバンク・コマース(株)、日本電気(株)、三井物産(株)の3社から約5000万円の増資を受け、本格的に日本市場に参入する運びとなった。

同社が9月から提供するサービスのひとつ“eDoc”

同社の提供する『インターネット“Sync”サービス』は、スケジュールや連絡先などのPIM情報や電子メール、作成中の書類などを自宅/オフィスのPC、外出先で使用する携帯端末の間で同期/共有できるもの。エージェントと呼ばれる同期ソフトを利用して、ファイルの変更点(差分)をインターネット上でやり取りし、他のPCや携帯端末で修正された部分を反映する仕組みになっている。

データは同社のサーバーに蓄積されるため、複数の端末間でデータの同期ができる。データは送信時に暗号化され復号はユーザーしかできない。また、データの差分だけを送受信するので、画像ファイルやPowerPointのプレゼンテーション資料といったサイズの大きなファイルでも数KBのデータをやり取りするだけで済む。

9月1日のサービス開始時点で提供されるエージェントソフトは、Windows 95/98/NT4.0/2000に対応。OutlookなどのPIMソフトと同期できる。2001年初めにはPalm OSとWindows CE、2001年の夏にはMacintoshに対応した製品も投入される。利用料金は15MBのサーバースペースを利用した場合、月額280円(年額2800円)を予定しているが、年内は無償で試用できる。

発表会ではインターネットに接続した2台のPC間で更新した画像ファイルの同期を行なうデモが行なわれた

また、PIMや電子メールに関しては、同社の運営するウェブサイト“eDoc”から閲覧可能で、エージェントソフトをインストールしたPC/携帯端末間だけでなく、インターネットカフェや出先のPCなどからデータを更新/参照することができる。eDocには携帯電話用に再構築したページも用意され、9月中旬以降はiモード端末からも参照できるようになる。

同社ではこれらの個人向けサービスに加え、インターネットプロバイダー、企業向けのサービスも計画しており、オンラインチケット予約サイト、交通情報サイト、オークションサイト、ポータルサイトのパーソナライズドメニューなどと連携したサービス(1ClikSync)も提供する予定。現在約30社との提携を進めており、実現すれば購入した切符の予約情報(出発時刻、到着時刻)を自動的にスケジュール登録することなどが可能になる。

米国本社の米フュージョンワン社は'98年設立で、フィンランドのノキア、米パーム社などの端末メーカー、ポータルサイトの“Infospace”など、約70のパートナーと提携し、年内に100万人の会員獲得を狙っている。

発表会に出席した米国本社CEOのリック・オニオン氏(左)と日本法人代表取締役社長の小野寺康一氏(右)

発表会に出席した同社CEOのリック・オニオン(Rick Onyon)氏によると、今後出荷される米ヒューレット・パッカード社のすべてのPC、携帯端末にインターネット Syncサービスのエージェントが搭載されるほか、PCを買い換え時に従来のEメールや作成した書類をワンクリックで同期できるサービスを、米デル・コンピュータ社との提携で提供する予定があるという。

日本法人を任されることになった小野寺康一代表取締役社長は、年内は会員数12万人程度から初まる形になると前置きしたあとで、2001年には67万人、2002年に176万人、2003年に287万人と順次利用者を増やし、「2002年には黒字展開、2003年には負債をなくし、最短で2004年の株式公開を目指したい」と今後の抱負を述べた。

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