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エコマネーで地域コミュニティー再生を--エコマネーネットワークが本格始動

1999年11月29日 00時00分更新

文● 船木万里

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任意団体エコマネーネットワークの主催による第1回「エコマネー」セミナーが26日、東京中央区のアーバンネット大手町ビルにおいて開催された。同ビル内のNTT東日本マルチメディア推進部を本会場とし、6ヵ所の地方会場がTV会議に参加。また北海道や沖縄など7ヵ所の会場で同時中継されるなど、全国各地をネットワークで結んだイベントとなった。

エコマネーネットワークの活動内容

最初に、エコマネーネットワーク事務局長の中山昌也氏による開会の挨拶があり、NHK情報ネットワークのチーフプロデューサーである加藤和郎氏がコーディネーターとして登壇。エコマネーネットワーク代表の加藤敏春氏により、“エコマネー-21世紀の「エコミュニティ」と「エコライフの創造」-”と題した講演が行なわれた。

開会の挨拶を述べるエコマネーネットワーク事務局長の中山昌也氏開会の挨拶を述べるエコマネーネットワーク事務局長の中山昌也氏



加藤敏春氏の提言する新しい概念である“エコマネー”とは、さまざまなコミュニティー活動を評価するための21世紀の貨幣である。老人への生活扶助サービス、市街の清掃など、市民がボランティアで行なう多様なサービスを“エコマネー”と呼ばれる貨幣に換算。住民がエコマネーを仲立ちとして相互扶助していくというシステムを構築することによって、地域コミュニティーを再生しようというものである。

コーディネーターを務めるNHK情報ネットワークのチーフプロデューサー、加藤和郎氏コーディネーターを務めるNHK情報ネットワークのチーフプロデューサー、加藤和郎氏



インターネットを道具として個々の取引を行なうという点では、現在盛況のオークションサイトと同じ仕組み。また、運営はNPO(非営利団体)が行ない、事業構造は地域に合った形でそれぞれがカスタマイズし、より利用しやすい形を模索していく。この点では、Linuxと同様のパラダイムであるともいえる。

現在すでに、世界各国で2500以上もの類似システムが運用されている。米国、英国、スイスなどでは実際にこうしたシステムを利用し、例えば奉仕活動で得たエコマネーを使って家の修繕を依頼するなど、地域住民同士がサービスの交換を行なっている。日本国内でも、今回TV会議に参加する6つの団体を始めとして、エコマネーを推進、企画する団体が各地で活動を開始している。

現在の貨幣が“冷たいお金”ならば、エコマネーは“温かいお金”。エコマネーの利用によって、最終的には「エコミュニティ」の創造、すなわち、自然との共生、コミュニティ・ビジネスの伸展による地域社会の活性化を目標に置く。加藤氏は、「生活、非貨幣、多様性、楽しさ」をキーワードとして、このシステムを各地に広めていきたいとの考えを示した。

エコマネーネットワークの事業計画

続いて、加藤敏春氏を代表としたエコマネーネットワークは、本日(26日)から正式に会員組織として活動を開始する、と宣言。エコマネーのシステム推進に向けた事業計画が発表された。

エコマネーについて語る、エコマネーネットワーク代表の加藤敏春氏エコマネーについて語る、エコマネーネットワーク代表の加藤敏春氏



同団体の目的は、エコマネーの主旨を正しく普及し、地域での導入活動を支援するというもの。そのために、ガイドラインや導入マニュアルを作成し、関係者のネットワークを広げる活動を行なう。全国各地の地域分科会と交流を持ち、情報をフィードバックしてもらうことによって、よりよいシステムを構築したいと考えているという。

具体的なプランとしては、ボランティア活動によって個人が取得したスタンプやポイントを協賛企業が還元するというエコファンド事業や、エコマネーネットワークを核としたエコミュニティ企業コンソーシアムの結成といった事業構想が明らかにされた。

NTTによる、エコマネーサイトのプロトタイプが展示されていた
NTTによる、エコマネーサイトのプロトタイプが展示されていた



都会の住民が苗木の植樹などをボランティアで行なう代償として、地方のアウトドア施設を利用できるというアウトドアファンドや、商店のサービススタンプを消費者が寄付することで支援金を捻出するというスタンプ事業ファンドなど、ユニークな構想も披露された。

今後は、少子化・高齢化社会の到来や環境問題の深刻化など、現代社会が直面している課題に対応した、新しい社会のあり方を提言し、“エコマネー”をひとつのツールとしてボランティア活動を推進することによって、地域社会の活性化を目指したいと加藤氏は語り、会場に参加を呼びかけた。

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