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NTTが超臨界流体によるデバイス加工の超高密度パターン形成法を開発

1999年05月20日 00時00分更新

文● 編集部 山本誠志

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日本電信電話(株)は、超臨界流体による超高密度パターン形成法(Supercritical Resist Drying、SRD法)を開発したことを発表した。この技術によって、従来不可能とされてきたナノメートル(10億分の1メートル)単位の超高密度パターン形成が可能になり、集積度がより高いデバイスを開発できるようになるという。

通常の状態で気体または液体である物質が、高温高圧のもとで気体と液体の両方の性質を合わせ持つようになる状態を“超臨界状態”という。超臨界状態では、気体と液体の密度が等しくなり、表面張力がゼロとなる。超臨界状態を超えた温度と圧力のもとで生じる流体を“超臨界流体”と呼び、気体の性質である拡散性と液体の性質である溶解性をあわせ持つことになる。

現在、回路パターンを形成する際の洗浄行程では、水またはアルコールを用いるのが一般的。しかし、水またはアルコールを用いると、液体の表面張力によって、隣接するパターンが接触してしまう“パターン倒れ”と呼ばれる現象が起きる問題があり、超微細加工は難しいとされていた。今回同社が発表したSRD法はこの問題を解決するもの。二酸化炭素の超臨界流体を用いることで、同じパターンの回路を従来の1/25のサイズで実現できるという。

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