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センサーを取り付けたヘルメットで演奏?--Personal Music Party in 彦根から

1999年05月17日 00時00分更新

文● Yuko Nexus6

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5月9日、滋賀県彦根市のフリースペース“ACT Station+Q座”で、Personal Music Party(略称PMP)なるイベントが開かれた。“音の持ちよりパーティ”と銘打たれたPMPは、過去12回にわたって神戸ポートアイランドのジーベックホールで隔月開催されていたものだが、ジーベックの経営方針転換により、存続が危ぶまれていた。そこで参加メンバー有志の発案で場所を彦根に移し、彦根版PMPが実現したのである。移転第1回目とあって、参加者は24組、5時間に及ぶ、もりだくさんな内容となった。

会場内から商店街の交差点が見える開放的なロケーション。時ならぬ爆音に足を止める通行人も多数
会場内から商店街の交差点が見える開放的なロケーション。時ならぬ爆音に足を止める通行人も多数



『クラスターワークス』で音と光のセッションを試みた出演者も

ジーベックホール、下田展久氏は、「いわゆるライブハウスやクラブで演奏するようなものじゃないけど、自分だけの音楽、音の実験を皆に聴いてもらいたいっていう人たちが集まって、続けてきたんですよね」と語る。

日本在住の海外アーティストも2組参加。音声詩を披露するショーン・ロウ氏
日本在住の海外アーティストも2組参加。音声詩を披露するショーン・ロウ氏



今回のPMPでも、その精神は受け継がれ、多種多彩な音が集まった。小型のサンプラーやリズムマシン、ハードディスクレコーダーなど、宅録機材を持ち込む人もあれば、Macintoshにセンサーを繋ぎ自作プログラムで音を出す人もいる。ボイジャー社の『ニルヴァーナ・エンジン』、『クラスターワークス』で音と光のセッションを試みた出演者もいた。

地元から参加の古野信治氏は懐かしの『ニルヴァーナ・エンジン』で音と光のパフォーマンス
地元から参加の古野信治氏は懐かしの『ニルヴァーナ・エンジン』で音と光のパフォーマンス



しかし、コンピューターやデジタル楽器だけのイベントというわけでもない。ディジェリドゥやカスタネットといったプリミティブな楽器もあれば、身の回りの電化製品、玩具、自作楽器もあり。詩の朗読、弾き語り、そしてとても文字では説明不可能なパフォーマンスで度肝を抜く出演者も・・・。

手のひらサイズのパーカッション、マラカを演奏した香取光一郎氏。セッション相手は現地調達
手のひらサイズのパーカッション、マラカを演奏した香取光一郎氏。セッション相手は現地調達



ジャンルやスタイルに囚われない出し物を、参加者全員が自由に鑑賞し、新しい発見を得るのがPMPの醍醐味。「次はあの人とセッションしてみたい」と、新しいユニットや企画が生まれてくるのもPMPならでは、だ。

掃除機を演奏した岩淵拓郎氏。ホースを手で塞ぎ、マイクで吸引音を増幅。豊かな音の変化にびっくり
掃除機を演奏した岩淵拓郎氏。ホースを手で塞ぎ、マイクで吸引音を増幅。豊かな音の変化にびっくり



メイン会場となった“Q座”は、廃業したパチンコ店を改造したもの。隣接するカフェ“ACT Station”ともども、彦根の城下町にある商店街の廃ビルを、滋賀県立大学の学生たちが中心になって作り上げた場だ。

Ken Kohda氏はセンサーを取付けたヘルメット=ドラメットとウクレレで独特の脱力感溢れる演奏
Ken Kohda氏はセンサーを取付けたヘルメット=ドラメットとウクレレで独特の脱力感溢れる演奏



地方都市にはありがちなことだが、大手資本の商業施設や一部の観光スポットにだけ人が集まり、昔ながらの商店街にはシャッターが閉まったままの店が並ぶ。そんな現状をどうにかしようと、学生と地元商店街が共同で町おこしに乗り出したのだ。昨年11月のオープン以来、各種ライブやイベント、この春にはオーケストラコンサートも催された。内装はもちろんトイレも厨房もすべて手づくりのスペース。そんなACTに、“手づくりの音、自分だけの音”を追求するPMPは、ぴったりのイベントであった。

ターンテーブル2台ほか、機材を満載して大阪から参加したDJサウンドチーム渚
ターンテーブル2台ほか、機材を満載して大阪から参加したDJサウンドチーム渚



北は山形から、首都圏、中部、関西など、全国各地から集まった参加者は当然のことながら、地元から参加した人も「自分の町にこんな場所があったなんて」と少なからず驚いていたようである。次回のPMPは、7月に開催される予定。さて、今度はどんな音が集まるだろうか。

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