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オートデスク、『3D Studio MAX』のRelease 3を公開

1999年05月11日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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オートデスク(株)は東京・渋谷の恵比寿ガーデンホールにおいて、“Discreet New Media User Conference'99”を開催。同会場において、今夏発売予定の3Dグラフィック/アニメーションソフト『3D Studio MAX Release 3』を、国内で初めて公開した。

3D Studio MAXは、米オートデスク社が同社のKinetixブランドで発売していたソフト。現在は同社のdiscreet部門がKinetixブランドの製品開発を担当しており、今回のRelease3はdiscreet部門が発足してから初めてのリリースとなる。日本国内での発売は今年の夏を予定しており、価格は49万8000円。

discreet部門は、米オートデスクが3月に買収した加Discreet Logic(ディスクリート・ロジック)社が前身。discreet部門ではKinetixブランドをはじめ、プロユースをターゲットとした『Advanced Systems』ブランド、ホームユースをターゲットとした『new media』ブランドと、3ブランドの製品開発を担当している。



『3D Studio MAX Release 3』

『3D Studio MAX Release 3』は、Windows対応の3Dアニメーション作成ソフト。ハイエンドユーザーを主な対象とした製品で、ビデオ作品やゲームのアニメーション映像作成などに使用される。

今回のバージョンアップでは、大規模プロジェクトにおける作業管理の向上、ユーザー自身によるインターフェースや各種機能のカスタマイズ、ゲーム開発のための環境整備などを重点的に改良したという。

画面例
画面例



前バージョンから追加された主な機能は以下のとおり。

・組織図を利用したオブジェクトとシーンの管理、および外部ファイルの読み込み/アニメーション処理
・作業フロー、およびメニューやレイアウトといったインターフェースのカスタマイズ
・アニメーション作成に用いる、“スキン”“フレックス”“モーファー”といったツールの追加(ソースコードはオープンになっている)
・モデリングの際、選択したフレームの頂点から周辺に向けエフェクトの反映度を徐々に減退させる、ソフト選択機能
・スクリプト形式で自動的に記録/保存するマクロレコード機能
・目の荒さが異なるポリゴンの連結部をスムーズに表現するNURMS機能

レンダリング機能については、より細かなエフェクトコントロール実現を目指して新たに開発し直したという。異方性鏡面反射やStrausなどの機能を含むシェーダ、フィルタリングやシャドウといったレンダリング機能のステップは、それぞれプラグイン化されている。

レンダリングイメージを制御するアンチエイリアシングアルゴリズムは、Area/Blend/Sharp Quadraticなど11種から選択可能。なお、レンダリング作業の処理速度は従来のままという。

また、ディスプレイメント近似モディファイヤを用いることにより、パラメトリックオブジェクトやサードパーティー製プラグインのジオメトリーオブジェクトに、ディスプレイメントが適用されるようになった。

画面例2。画面上部にシーン管理表が
画面例2。画面上部にシーン管理表が



対応OSは、Windows 95/98/NT4.0。価格は49万8000円。教育機関向けには15万円の特別価格を用意。旧バージョンからのアップデートメニューも用意されている。

また今回の公開に伴い、3D Studio MAX Release 3に対応したレンダリング用プラグインソフトも紹介された。

・米mental images社の『mental ray』。カスタマイズが可能なレンダリングソフトで、『3D Studio MAX Release 3』から直接操作することができる。オートデスク社から第2四半期(5~7月)に発売される予定で、価格は未定。
・オーストラリアAnimal Logic社の『MaxMan』。3D Studio MAX上で『RenderMan』のレンダリング機能を利用できるようにするプラグイン。Animal Logic社から6月発売予定で、価格は未定。

新たに、discreet new medeiaビジネスグループがスタート

オートデスク(株)は、同社のマルチメディア部門であるKinetixビジネスグループを、4月1日付けで“discreet new medeiaビジネスグループ”と改名したことを発表した。同部門はnew mediaブランドのグラフィックツールと、旧Kinetix製品の販売およびマーケティングを担当する。

志賀徹也代表取締役社長(左)と、坂間充discreet new mediaビジネスグループ本部長
志賀徹也代表取締役社長(左)と、坂間充discreet new mediaビジネスグループ本部長



同社の志賀徹也代表取締役社長は、「旧Kinetixの製品は昨年、国内において4500本以上販売され、60%の成長を記録した。ディスクリート・ロジックの買収と米Mental images社との提携を受け、今後の業績伸長が期待される」と語った。今後は国内において、ゲームコンバーターの開発などゲーム分野に力を注ぐという。

なお、Advanced Systemsブランドの販売については、(株)ディスクリート・ロジックが担当する。同社はオートデスク(株)とは別法人だが、売り上げは米オートデスクに統合して計上されるという。

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