このページの本文へ

“EDF99 電子ディスプレイ・フォーラム”がパシフィコ横浜で開催

1999年04月21日 00時00分更新

文● 編集部 綿貫晃

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(社)日本電子機械工業会(EIAJ)と半導体およびFPD(フラットパネルディスプレ-)の製造装置・材料業界の国際組織であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が共催する、“Electronic Display Forum 99 電子ディスプレイ・フォーラム”が14日から2日間パシフィコ横浜・会議センターで開催された。

このフォーラムは、電子ディスプレーの現状と将来ビジョンの潮流を提示することを目的としており、この分野の先端技術を内外に広くアピールすることによって、電子ディスプレー産業の進展を図ろうとするものである。

日本の得意分野に期待大

14日は、最初にIDC Japan(株)の南川明ディレクターが“デジタル時代を迎え変貌するエレクトロニクス産業”をテーマに壇上に立った。

南川氏は、近年はデジタル技術の急速な進展によって、コンピュータと通信機器、家電製品の境界が曖昧になったことを指摘した。情報機器のデジカメ、ゲーム、携帯電話などの動向を説明し、これらの機器の重要な構成デバイスとして、携帯性の高い液晶、低消費電力LSI、電池の3つをあげた。この3つの要素技術が日本メーカーの得意分野であり、今後に期待がかかるとしている。

IDC Japanの南川ディレクター(左)と吉田マネージャー(右)
IDC Japanの南川ディレクター(左)と吉田マネージャー(右)



デジタル時代では日本が有利

続いてIDC Japanの吉田広幸マネージャーが“変貌するFPD産業”をテーマに講演を行なった。

吉田氏によると、世界の電子ディスプレー市場規模は'98年に5兆1927億円であったものが、2002年には6兆3537億円に拡大するとしている。1995年から2002年までのFPD(フラットパネルディスプレ-)市場の平均伸張率は11.7パーセントとなり、今後はFPDがディスプレー市場の牽引役となるだろうと語った。FPDの将来について、「従来はPCへの依存度が強かったFPD市場だが、デジタル時代へ向かうことにより、PCに限らず情報端末、情報家電、ネットワーク端末へと広がっていくことになる。これらの機器は家電的な要素が強いため、家電に強い日本企業は有利になるだろう」と述べた。

2007年にTFT-LCDがCRTを超える!?

韓国SamsungのYoon-Woo Lee President&CEOは、“Prospect of TFT-LCD in Next 10 years ; How far it can go?”というテーマで基調講演を行なった。

SamsungのYoon-Woo Lee氏
SamsungのYoon-Woo Lee氏



Lee氏は、「今までのTFT-LCDは、オフィスPC向けに偏りすぎてしまったため、価格が市場に左右される形となってしまった。これからは、医療向けや電子ブックなどの新しい市場に向けて開発し、市場そのものを広げていかなければならない。また、製造プロセスはまだ改善する余地があり、生産性を向上させる必要がある。機器メーカーとデバイスメーカーが協力して、製造コストを1インチあたり10ドル(約1190円)とすれば、2007年にはTFT-LCDの出荷額がCRTを超えるだろう」と語った。10年後のTFT-LCDは、400カンデラの輝度で解像度が200dpiの42型が製造されるとしている。

このフォーラムは有料のセッションが7つ行なわれ、受講料は、1セッションにつき1万9000円(特別セッションを除く)。問い合わせ先はSEMI。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン