米ニューヨークで2月8日から15日(現地時間)まで、おもちゃ業界最大のトレードショーであるThe
American International Toy Fair(トイ・フェアー)が開催された。メイン会場であるジェイビッツ・コンベンションセンターほか、市内7ヵ所に展示場や商談会場が設けられ、参加企業は1700近くにのぼるという大規模なもの。
出展物の中心は幼児用のおもちゃやぬいぐるみ、人形など。ここ数年はゲームや映画のキャラクター・フィギュアが目立ち、前年に比べ30パーセントほど増えているという。なかでも注目されているのが、イギリス生まれの『Teletubbies』だ。
TeletubbiesはBBC(イギリス国営放送)で放映中の子供向け番組。映像には着ぐるみの実写とCGが巧みに合成されている。'96年の放映開始とともにキャラクターが爆発的なヒットを呼び、英国内での商品化収益は年間20億ドル(約2300億円)以上になるという。
米国内でTeletubbiesのライセンシー企業は約30社あるが、そのなかでも注目されているのがマイクロソフトだ。
マイクロソフトは『ActiMates』というインタラクティブトイを発売しており、これまで『Barney』『Arthur』『D.W.』という3種類がラインナップされている。そのシリーズに『Teletubbies』が加わることが、トイ・フェアー初日の8日にマイクロソフトから発表された。
トイ・フェアーの会場内にはActiMates版Teletubbiesのサインボードが |
ActiMates版のTeletubbiesは4人それぞれにユニークな性格づけがされており、数百語の単語を話すほか、13種類の歌、12のゲームが内蔵されている。TVパックも用意されており、特別にエンコードされたシグナルを記録した専用ビデオを利用して、映像に反応した遊びかたもできる。
マイクロソフト・ハードウエアグループ担当副社長のリック・トンプソン氏は「ActiMatesは、インタラクティブな方法で楽しく学ぶことを子供たちに教えてくれます」と語っている。また、Teletubbiesの米国地区ライセンサーを務めるケビン・ヴァイスマン氏は、「テレビを見るもっとも若い層向けに、このようなインタラクティブな製品ができるということに興奮しています」と述べている。
Teletubbiesシリーズは『LaaLaa』と『Po』が3月、『Dipsy』と『TwinkyWinky』は夏に発売が予定されている。価格はそれぞれ59.95ドル(約6900円)。別売りの『ActiMates
TV Pack』は54.95ドル(約6300円)。ActiMates用にエンコードされたビデオは14.99ドル(約1720円)。販売は米国およびカナダのみとなっている。
Teletubbiesは地球によく似たTeletabbie Landに住み、頭にアンテナ、おなかにモニターがあるという出で立ち。黄色(LaaLaa)、赤(Po)、緑(Dipsy)、紫(TwinkyWinky)の4人は幼児語でしゃべり、ダンスをしたりおかしを食べたり、おなかのモニターに送信されてくる地球の子供たちの生活を見て楽しみながらハッピーな生活を送っている。
そんなTeletubbiesは子供のみならず大人にも人気が高い。なにがあっても最後に“Big
Hug”(hugとは抱き合うこと)で解決してしまう平和主義に加え、幼児体形の着ぐるみと赤ちゃん言葉に大人も魅了され、“Teletubbiesマニア”が急増。日本でも輸入版ビデオやキャラクター・トイが販売されている。
ちなみにTeletubbiesは、放映される国にあわせてローカライズされる方針。米国ではナレーションや挿入録画場面などを部分的に差し替えて放映している。日本では小学館とフジテレビがアニメーションとして放映するという情報もあるという。
【エイガアル代表 伊藤淳子】
・英BBCのTeletubbiesホームページ
http://www.bbc.co.uk/education/teletubbies/
・米マイクロソフト『Teletubbies』
http://www.microsoft.com/products/hardware/
actimates/teletubbies/default.htm
・The American International Toy Fair
http://www.toy-tma.com/AITF/index.htm