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キーワード“Windows DNA”を掲げ、企業内プラットフォームとしての揺るぎない立場をアピール~マイクロソフト、“Professional Developers Conference”、“Office 2000 Developers Conference”を開催

1999年02月05日 00時00分更新

文● 報道局 佐々木千之、桑本美鈴

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 マイクロソフト(株)は5日、東京・港区のホテルグランパシフィックメリディアンにおいて、“Professional Developers Conference JAPAN”(PDC)と“Microsoft Office 2000 Developers Conference”(ODC)の2つの開発者向けカンファレンスを開催した。

●周辺の騒ぎなどどこ吹く風(?)、プラットフォーム“Windows 2000”をアピール

 PDCは、Windows NTおよびBackOfficeをプラットフォームとして、企業内アプリケーションや情報システム開発を行なっている開発者をターゲットにしたカンファレンス。年に2回開かれているが、今回は昨年の10月11~15日に米国コロラド州デンバーで行なわれたPDCのミニチュア版、といったおもむきのもの。

 米マイクロソフト社のPlatform Marketing Group Managerのジギッシュ・アヴァラーニ(Jigish Avalani)氏による“Building Windows Based Applications for the Internet Age”と題した基調講演では、エンタープライズ向けのような大規模アプリケーションのソリューションとして、ウェブアプリケーションとWindowsアプリケーションの長所と短所を挙げて説明し、この両社の長所を備えたものがWindows 2000によるソリューションであると述べた。Windows 2000開発陣のビルドとバグつぶしに明け暮れる1日をドキュメンタリー風にとらえたビデオが上映された後、システムとしての分散環境の話に移った。それによると、メインフレームが中心であった1ティア(層)システムの時代から、2ティアシステムを経て3ティアシステム、そしてNティアシステムへ移行しているという。分散型の環境に移行するためには、従来行なわれているようなコンポーネントの再利用だけでは不十分で、きちんと共同開発が可能でなくてはならないとし、Windowsプラットフォームでは、COM(Component Object Model)からMTS(Microsoft Transaction Server)、さらにCOM+(Common Object Model Plus)を利用した開発が重要であるとした。

 午前中の基調講演とゼネラルセッションに続いて、午後は、同社が“Windows DNA”と呼ぶ3階層システム(アプリケーション層、ビジネスロジック層、データ層)の、実際のプログラミングなどのテクニックに関するセッションが行なわれた。なお、Windows 2000の発売時期については、β3を今年の前半に出し、製品版は年内に、とコメントしていた。

米マイクロソフト社のPlatform Marketing Group Managerのジギッシュ・アヴァラーニ氏 米マイクロソフト社のPlatform Marketing Group Managerのジギッシュ・アヴァラーニ氏



●Office 2000の最新版βが披露されたODC

 午後からはPDCと分かれる形でODCが開催され、マイクロソフト(株)デスクトップアプリケーションズ開発統括部オフィス部部長の小宮和己氏と同アプリケーション製品統括部コーポレートマーケティンググループプロダクトマネージャの能祖裕樹氏による“Office 2000開発目標”と題したセッションが行なわれた。

 小宮氏は、Office 2000の発表以来同社が言い続けている“シンプルな操作性”、“Webコラボレーションによる効果的な情報の共有”、“TCO削減”という3つのキーワードを軸に、各アプリケーションの新機能を説明。

 デモンストレーションでは、Word 2000やExcel 2000を使い、OfficeクリップボードやWord文書内の表組みの文章回り込みなどが紹介された。また、IIS4.0用の拡張機能であるOffice Server Extensionsを利用したWebコラボレーションについて、HTML文書の発行からブラウザーでの表示、ウェブコメントによるディスカッションまでの、一連の操作が説明された。デモでは、図形や表の入ったHTML文書の表示のされ方をIE5.0と4.0とで比較し、異なったバージョンでも遜色なく画面表示できると述べた。Netscape Navigatorではカスケードスタイルシート(CSS)など一部の実装が異なるため、現在両社でCSS3を策定すべく調整中だという。同社はこのようなOffice 2000を利用したウェブによるソリューション展開を推奨するという。

β2ではいなかったOffice 2000のオフィスアシスタントに“冴子先生2000”が登場
β2ではいなかったOffice 2000のオフィスアシスタントに“冴子先生2000”が登場



 導入コストの削減に関するデモでは、Windowsインストーラの“初めて実行するときのインストーラ”が紹介された。これは、初めてメニューからプログラムを選択したときに実行を検知して、サーバーからアプリケーションをインストールし、起動するというもの。また、アプリケーションの起動に必要なファイルを探し、存在しない場合に自動でインストールを行なう自動修復機能のデモも行なわれた。

 最後に小宮氏は「これらの機能を併せ持つOffice 2000で企業全体の生産性の向上を目指す」と語り同セッションを終えた。

 続いて行なわれた“Office2000とExchange Serverによるソリューション”のセッションでは、Exchange ServerとOutlook 2000が紹介された。

 Exchange ServerはOffice 2000のデジタルデータを必要とする場所へ届ける最適な情報流通システムだと語り、年間の従業員ひとり当たりのTCOが、競合製品であるロータス ノーツと比較し50パーセント以上低く、そのため乗り換えるユーザーが増えてきていると説明。今後のロードマップとして、年内予定のWindows 2000出荷から90日後にExchange Server次期バージョン(コード名Platinum)を出荷するとしている。

Outlook2000では、予定表をHTMLとして出力し、ブラウザーで見ることができるようになった
Outlook2000では、予定表をHTMLとして出力し、ブラウザーで見ることができるようになった



 Outlook2000は、最大12個のクリップボードやパブリックフォルダへのリンクや検索を実現し使い勝手が向上。また、メッセージの送受信では各Office文書をメッセージとして作成でき、添付かHTML形式で送信可能となるという。そのほか、予定表データをHTMLに変換しウェブページとして公開したり、連絡先データをWordから差し込み印刷したりできる等、全体的にコラボレーション機能が強化されている。

 これまでOfficeアプリケーションのうちOutlookだけがVBAに対応していなかったが、Outlook 2000からVBAをサポート。これにより他Officeアプリケーションとの親和性が高まったとしている。

 同社Exchange Server製品グループプロダクトマネージャの澤井俊一氏は「Exchange Serverの標準クライアントはOutlookのみだったが、今後はOfficeアプリケーション全体がExchange Serverのクライアントとなる」とセッションを締めくくった。

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