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【Lotusphere99 Vol.2】ゼネラルセッション“ロータスの新たな方向性を探る”

1999年01月19日 00時00分更新

文● アスキーNT編集部 吉川大郎

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Knowledge Managimentが'99年のキーワード

ゼネラルセッション開場前。数千人が詰めかけた
ゼネラルセッション開場前。数千人が詰めかけた



 17日~21日(現地時間)、米国フロリダ州Orlandにて、ソフトウェアデベロッパー大手である米ロータス・ディベロップメント社のプライベートショー“Lotusphere99”が開催されている。18日のゼネラルセッションでは、ロータスのPresident and CEO、Jeff Papows氏、Executive Vice PresidentであるMichael D.Zisman氏、Notes & Domino Product Management Vice PresidentであるCliff Reevesが登場。また、ビデオで米IBM社のLouis V.Gerstner氏も登場した。Papows氏はロータスの全体的な方向性を、Zisman氏は『Notes R5』の戦略を、Reeves氏はR5の製品デモをそれぞれ行なった。

ゼネラルセッションにて、'98年を振り返るとともに'99年の方向性を語るLotus Development President & CEO Jeff Papows氏ゼネラルセッションにて、'98年を振り返るとともに'99年の方向性を語るLotus Development President & CEO Jeff Papows氏



ロータスのNotes & Domino Product Management Vice President Cliff Reeves氏。『Domino R5』はサーバーのクラスタリングも目玉機能の1つで(異なるOS上の『Domino』同士でもクラスタリング可能)、「サーバーが壊れても大丈夫!」とハンマーでPCサーバーを打ち壊すなど派手なパフォーマンスもロータスのNotes & Domino Product Management Vice President Cliff Reeves氏。『Domino R5』はサーバーのクラスタリングも目玉機能の1つで(異なるOS上の『Domino』同士でもクラスタリング可能)、「サーバーが壊れても大丈夫!」とハンマーでPCサーバーを打ち壊すなど派手なパフォーマンスも



 Jeff Papows氏は、過去のNotesの出荷数が'96年は900万シート、'97年は2000万シート、'98年は3100シートと順調に伸びてきたと語った。キーワードとしては『Lotus2000』という言葉を挙げている。これは、『Notes R5』を中心とし、文書検索の『Domino.doc』や『Domino』上の同期通信を可能にする『Sametime』などのアプリケーションによる総合フレームワークを作っていこうというものだ。

ロータスの製品『Learning Space Anytime』。チャットや文書共有、ホワイトボードなど、Dominoの機能をくまなく使った遠隔教育ソリューションだ
ロータスの製品『Learning Space Anytime』。チャットや文書共有、ホワイトボードなど、Dominoの機能をくまなく使った遠隔教育ソリューションだ



 また、'99年は『Notes R5』を中心としたKnowledge Managimentに力を入れるとし、リリースされたばかりの『Lotus Sametime』もその一端を担っている。『Sametime』は、今まで非同期的なメッセージングがメインだったNotesの世界に、チャットなどの同期的メッセージング機能を加えるもの。チャットやビデオカンファレンスがNotes上で可能になる。また、'99年中に『Yoda』のコードネームを与えたKnowledge Managementサーバを出荷する。

 『Notes R5』のKnowledge Managiment関連機能で目立ったのは、Cliff Reeves氏による『Notes R5』のデモ。これは従来の不定形文書検索と、新しい機能であるチャットを組み合わせて使用したものだ。問題が起きたときに、関連する文書を検索、表示したあと、その問題に対してネットワーク上にもっと詳しい人がいないか? と探してみる(これは、チャットルームに友達がいないかどうかを探すのと同じLook & Feelで行える。すなわち、Notes R5のペインの1つにチャット領域が出現し、ネットワーク参加者のリストと実際のチャットペインが表示されるのだ)。もしも詳しい人物がいたら、その人間にさらなるアドバイスをチャット上でもらうことや、もっと詳しい文書の在処を提示してもらうことも可能だ。

 文書の検索そのものに関しても、IBMの大和研究所の技術を用い、精度をアップしている。また、R5からは文書のプロパティにパーソナルインフォメーションを含めることが可能になる。たとえば、山田さんが作成した文書ならば、あらかじめ作成しておいた山田さんのプロフィール(どういった業務に携わっており、どのような分野に詳しいか)といった情報までも知ることができる。

オフィス製品(ロータスのみならず、Microsoft Officeも)や、そのほかのドキュメントをHTMLに変換し、ウェブサイトを構築してくれる『FastSite』。たとえば、Wordや1-2-3、テキスト文書など複数のファイルを指定すると、そのすべてをHTML化してくれる。さらに元データに変更を加え、その変更をウェブサイトに反映させることも可能だオフィス製品(ロータスのみならず、Microsoft Officeも)や、そのほかのドキュメントをHTMLに変換し、ウェブサイトを構築してくれる『FastSite』。たとえば、Wordや1-2-3、テキスト文書など複数のファイルを指定すると、そのすべてをHTML化してくれる。さらに元データに変更を加え、その変更をウェブサイトに反映させることも可能だ



 『Notes R5』のデモ中目を引いたのは、ブックマークのデータベース化である。いままで個人管理が主体だったブックマークをDomino側で管理することにより、たとえば業務関連のブックマークをユーザーにプッシュしたり、ブックマークを共有してチームでアップデートしたりといったことが可能になる。Dynamic Client Configrationというわけだ。
      
 “Lotusphere99”は始まったばかりだが、『Notes R5』の登場も目前に控え、さらなるアドオンソフトの発表もあり、ノーツ市場の巨大さをうかがわせるイベントである。

 なお、このイベントの詳細は2月24日発売のアスキーNT4月号(定価1280円)に掲載される予定。

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