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【COMDEX Canada West '99】カナダのモバイルマシンは、頑丈な取っ手付き? フルサイズキーボード、ミリタリー仕様のノートパソコンなどが展示

1999年01月18日 00時00分更新

文● 野々下裕子、

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 現地時間の10日から13日まで開催されている“COMDEX Canada West '99”。その会場は、最終日を迎えても引き続き大勢の来場者であふれかえっていた。特にデモンストレーションコーナーはどのメーカーも黒山の人だかりで、活気にあふれていた。

 今回のCOMDEXの主役でもあるスリーコム社の『Palm III』のブースはOEM向けの展開であったが、仕様を説明するデモでは、見学者の列が2重、3重にもでき、通路をふさぐほど人があふれていた。さらにCOMDEX開催に合わせて25ドルのキャッシュバックキャンペーンを展開。その影響か会場近くのパソコンショップではのきなみ『Palm III』が売り切れ状態であった。

黒山の人だかりになっていた『Palm III』のブース
黒山の人だかりになっていた『Palm III』のブース



 その一方で、なぜか会場では時代に反するような大型のノートパソコンもいくつか出品されていた。中でも、地元バンクーバーのディストリビューターIMPAQ社は、カナダEurocomm社製の『EUROCOM 8500P』を展示。XGA表示の15.1インチTFT液晶ディスプレーとフルサイズキーボードを搭載したノートパソコンで、重量は4.5kg。

大型液晶ディスプレーを搭載し、デスクトップパソコンに近い重々しい印象の『EUROCOM 8500P』。CPUはモバイルPentium II-266~366MHz。サイズは、幅357×奥行き275×高さ50mm、重量は4.5kg。グラフィックチップはカナダに本社を置くATIテクノロジーズ社製の3D RAGE LT PRO
大型液晶ディスプレーを搭載し、デスクトップパソコンに近い重々しい印象の『EUROCOM 8500P』。CPUはモバイルPentium II-266~366MHz。サイズは、幅357×奥行き275×高さ50mm、重量は4.5kg。グラフィックチップはカナダに本社を置くATIテクノロジーズ社製の3D RAGE LT PRO



 Panasonic Canada社はミリタリー仕様のノートブックシリーズ『TOUGHBOOK』シリーズを展示していた。『TOUGHBOOK』は液晶もボディもヘビーデューティーで、40回以上落下させる耐久テストにも合格。頑丈な取っ手まで付いている。たしかにカナダの気象条件を考えると、モバイルマシンもこうしたスタイルが求められるのかもしれない。

Panasonic Canada社の『TOUGHBOOK』の底面。カバーを外したところ
Panasonic Canada社の『TOUGHBOOK』の底面。カバーを外したところ



 PC以外の製品では、アップル・カナダ社が他社との共同による小さな出展スペースながらも、来場者の圧倒的な関心を集めていた。というのも、2日目から新しいG3マシンを展示。プレイステーションのエミュレーター『Connectix Virtual Game Station』のデモと合わせて好評を博していた。なお、G3マシンは地元カナダでは月末から2499~4699カナダドル(約18万7000円~35万円)で販売されるとのこと。アップル社の勢いがどれぐらい伝染するのか、今後の成り行きが注目される。

 地元ブリティッシュコロンビア州のNTT的存在であるBC TELL社は、インターネットサービス関連の商品を展示。“MultiMedia Gateway”という高速回線サービスでは、4Mbpsのスピード回線を利用するのに、インストール代は税別で99.95カナダドル(約7500円)だけ。利用料金は月額64.95カナダドル(約4850円)。とはいっても、コスト感覚にうるさいカナダではどのような値頃感なのかは気になるところ。BC TELLもそのあたりが気になるのか、会場でアンケートをとっていた。そのほかにも会場では現地のプロバイダーサービス会社が数社出展しており、今後はこうした企業が新しいユーザーを狙ってしのぎを削ることになりそうだ。

 

カナダ有数の通信サービス業者BC TELECOM社の1部門で、ブリティッシュコロンビア州でサービスを行なうBC TELL社(左)。ブースではアンケートを実施(右)カナダ有数の通信サービス業者BC TELECOM社の1部門で、ブリティッシュコロンビア州でサービスを行なうBC TELL社(左)。ブースではアンケートを実施(右)



 エキシビションと並行して開催されていたカンファレンスの内容を見ると、バンクーバーではこれから“Small Business”や“E-Commerce”が注目されていきそうだ。回線料金の安さや、100ドルもあれば起業できるといったメリットをどこまで活かせるのか、またアメリカに近く、アメリカ以上に人種の坩堝である文化性がどのように影響していくのか。日本ではあまり注目されていなかった国だけに、新鮮な情報が多かったように思う。今後もチャンスがあれば、バンクーバーでのこうした動きを追いかけていくことにしたい。

カンファレンスでは“Small Business”や“E-Commerce”に注目
カンファレンスでは“Small Business”や“E-Commerce”に注目

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