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インフォミックス、レッドブリック買収について説明「データウェアハウス分野のデファクトを取る」

1999年01月07日 00時00分更新

文● 報道局 桑本美鈴

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 インフォミックス(株)は、'98年12月31日(現地時間)に完了した米インフォミックス社の米レッドブリック システムズ社買収に伴い、日本での新組織と人事を発表した。1月1日付けで同社はデータウェアハウス事業本部を新設、レッドブリック ジャパンの事業と人員を吸収し、実質的に同事業を引き継ぐ。前レッドブリック ジャパン社長の手塚文孝氏は、データウェアハウス担当副社長兼データウェアハウス事業本部長に就任した。

 レッドブリックの製品は、インフォミックスからレッドブリックブランドとして引き続き提供される。同社は今後もレッドブリック製品群の販売とサポートを行なうほか、同社の意思決定支援製品群『Decision Frontier』にレッドブリック製品を組み込んでいく。また、インフォミックスとレッドブリックそれぞれのパートナーとの契約に関しては基本的に変更はないという。

 発表会場では、米インフォミックス ソフトウェア社アジアパシフィック統括副社長William James(ウィリアム・ジェイムズ)氏が、今回の買収について「インフォミックスは今回の買収により多くのデータウェアハウス/データマート分野の専門家グループを手に入れたことになる。われわれは大きなハイエンド向けデータウェアハウスから小さなデータマートまで網羅できるようになった。日本ではレッドブリック製品はひとつのブランドとして引き続き提供する」と説明。



 続いて、インフォミックス(株)代表取締役社長の堀昭一氏と手塚氏が'99年の展望についてそれぞれ語った。

 「ビジネスは、いい技術を持っているだけでは成り立たない。いい商品と確立された経営の仕組みが合わさってはじめて成功する。'98年はインフォミックス(株)が設立してから最高の業績となった。今年は日本でのデータウェアハウス元年。新しいビジネスを構築したい」(堀氏)

 「データウェアハウス分野のデファクトを取りたい。'99年の売上は昨年の3倍を目標にしている。今回の合併によってビジネスの可能性がレッドブリックの何倍も広がった。ディテールやサービス事業では既にデファクトを取ったと思っている。今後は、これまでレッドブリックが参入できなかった金融やテレコムという巨大マーケットに打って出たい」(手塚氏)

 また、ASCII24では、9月までレッドブリックに在職し、両社の合併の中心となって活躍された米インフォミックス・ソフトウェア社データウェアハウス部門ビジネス開発担当ディレクターのJohn Reid(ジョン・レイド)氏に、今回の合併と、今後のデータウェアハウス事業展開について伺った。

ビジネス開発担当ディレクターJohn Reid氏 ビジネス開発担当ディレクターJohn Reid氏



・買収理由について
「インフォミックスがレッドブリックを買収する主な理由は、レッドブリックが非常に強力なデータウェアハウス技術を持っており、データウェアハウス分野でのテクノロジーリーダーとして認定されているというところにあります。今後インフォミックスのデータウェアハウス部門に、レッドブリックからキーとなる人間、すなわちR&D部門やカスタマーサポート、コンサルティング分野の人間を入れていきます」

・買収のメリット
「インフォミックスにおいてのメリットは、レッドブリックがディストリビューションパートナーと日本で築いている強力な関係にあります。レッドブリック側のメリットは、インフォミックスのほうが企業規模がより大きいわけですから、それによるインフラが提供できます。また、ワールドワイドでより強力な流通チャンネルを持てるということにあります」

「それから、インフォミックスにはERP市場向けのデータウェアハウス製品がありますが、レッドブリックは持っていませんでした。今後はレッドブリックが今まで取り組んでこなかったデータウェアハウス市場にも参入できる。すなわちレッドブリックが1社だけでは展開できなかったマーケットにも、レッドブリックのテクノロジーをインフォミックスの『Decision Frontier』といったデータウェアハウス製品に取り入れることで、新しい市場に対してアプローチできるということです」

・日本での販売体制について
「日本では、いままでレッドブリック製品は主にWindows NTベースのデータマート向けとして売られてきたわけです。一方、インフォミックス製品は、エンタープライズ用のデータウェアハウス向けであり、比較的大規模なシステムとして販売してきましたから、プラットフォームとして多かったのはUNIXでした。ですから、例えばWindows NT上でデータマートを構築したいという顧客に対してはレッドブリック製品を提示していきますし、UNIXベースのエンタープライズ向けデータウェアハウスシステムを構築するといった場合には、インフォミックスの製品を提示していきます」

「これは現在レッドブリックのディストリビューションパートナーが行なっている販売体制と一貫したものです。これからも、レッドブリックのディストリビューションパートナー各社は継続してレッドブリックブランドの製品を販売していきますし、さらに今後はインフォミックスの製品も販売していくことができるようになります」

・オラクルやマイクロソフトといった競合他社について
「オラクル社に関しては、製品が強力でないからこそ派手なマーケティング活動をやっているんだということが1つ言えますね。それに対し、われわれの製品は強力なパートナー企業に非常に信頼されている。そういうパートナー企業によってわれわれの製品を効果的に提示してもらっています」

「マイクロソフトに関しては、彼らがこのデータウェアハウス市場に参入してきたこと自体は、この市場が非常に有効なものであることを確認する意味で非常に歓迎しています」

「われわれはオラクルやマイクロソフトと価格で競争しようとは思っていません。インフォミックスのデータウェアハウス製品は非常にハイエンドでエンタープライズ向けのものです。一方、例えばマイクロソフトのSQL Serverなどは、データウェアハウスとしてはローエンドで小さなデータマートを対象としているものです。彼らとは直接的な競合というものはないと考えています」

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