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【INTERVIEW】ホームセキュリティー端末を使ったオンライン・ショッピング~四次元ポートとコーヨー21の担当者に訊く~

1998年09月28日 00時00分更新

文● 報道局 横田雅美、佐藤和彦

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 (株)コーヨー21は、16日より、綜合警備保障(株)のホームセキュリティー端末を使用して、通販カタログの受注を開始した。コーヨー21は、通信販売会社のカタログを消費者の求めに応じて配布するサービスを行なっているが、警備会社のホームセキュリティー端末を利用するのは、同社が初めてという。また、このホームセキュリティー端末を利用したサービスを実際に運営してるのが、綜合警備保障(株)ほか13社が出資して設立した(株)四次元ポートである。(株)四次元ポートの橋爪亮介営業部長と、コーヨー21のデジタルメディア部開発担当の玉腰泰三氏に、ホームセキュリティー端末を利用したオンライン・ショッピングの可能性について伺った。

(株)四次元ポートの橋爪亮介営業部長(株)四次元ポートの橋爪亮介営業部長



----まず、四次元ポートという会社の設立の経緯についてお聞かせください。また、四次元ポートというユニークな社名をつけられた理由もお聞かせください。

橋爪「四次元ポートは、綜合警備保障のほか、国際電信電話(株)、沖電気工業(株)、(株)出版ニュース社の4社が中心となって、'96年に設立された会社です。設立する前は、漫画のドラえもんに出てくる“四次元ポケット”という社名にしようと考えていましたが、ドラえもんの原作者に了解を取る前に、原作者の方がお亡くなりになったこともあって、“四次元ポ”の部分までを残して、“四次元ポート”という社名にしました」

「四次元ポートは、もともとは、マルチメディアキオスク(MMK)という専用端末を書店やコンビニなどにおき、そのMMK端末を利用したオンラインショッピングを普及させることをめざしています。取り扱っている商品は、地方の名産品、化粧品、書籍、旅行チケットなどです。支払い方法は、MMK端末に現金を入れるか、クレジットカードをMMK端末に挿入して、カード決済をするかのいずれかを選択できます。四次元ポートは、MMK端末と商品を販売する事業者の間で、商品の受発注、決済、データベースの管理といったシステム全体の運営を担っています」

「ただ、MMK端末自体は、まだ設置台数は、それほど多くはありません。東京地区では、書店の三省堂神田本店など7ヵ所に設置されています。全国でもまだ15ヵ所程度です」

----その四次元ポートが、今度は、綜合警備保障のホームセキュリティー端末を利用したサービスを開始しましたが、その経緯や狙いについてお聞かせください。

橋爪「先ほど申し上げたMMK端末に表示される画面は、実はHTMLで記述したものを、組込用のブラウザー上に表示するという仕組みになっています。決済のシステムなどは、独自のものを使用していますが、そういったものを無視すれば、実はパソコン上に表示させることができるものなのです。MMK端末を利用したシステムで行なわれているオンライン・ショッピングを、将来的には、家庭にも導入させたい、と考えているわけです」

「この家庭にオンライン・ショッピングを導入する、というコンセプトを具現化したもののひとつが、綜合警備保障のホームセキュリティー端末を利用したサービスです。ただ、こちらのほうは、まだHTMLには対応していませんが・・」

(株)綜合警備保障のホームセキュリティ端末
(株)綜合警備保障のホームセキュリティ端末



橋爪「このホームセキュリティー端末は、A4サイズくらいの大きさのもので、メニュー画面には8つの項目が表示されています。このうちの『通信販売』を選択し、コーヨー21さんが配布するチラシに表示されている通販カタログの番号を入力するだけで、カタログを手に入れることができます」

----ホームセキュリティー端末でカタログを請求するのではなく、直接商品を購入することも可能なような気がしますが、その点はいかがでしょうか。また、綜合警備保障のホームセキュリティー端末が、HTML対応になるのはいつごろになりますか。

橋爪「直接商品を購入できるようにするのは、技術的には難しいことではなく、やろうと思えば明日からでも可能です。ただ、通販会社の側に、どれだけのニーズがあるかは不明ですので、とりあえず、コーヨー21さんの提供するカタログ情報を活用させていただくことにしました」

「綜合警備保障のホームセキュリティー端末がHTMLに対応するには、まだ相当時間がかかると思っています。ただ、いずれは、HTML対応になるはずです」

----コーヨー21は、“カタログコレクション”という通販用カタログを集めたチラシを配布していますが、ホームセキュリティー端末のような双方向メディアを通じた返信は、どれくらいあるものなのでしょうか。

(株)コーヨー21のデジタルメディア部開発担当の玉腰泰三氏(株)コーヨー21のデジタルメディア部開発担当の玉腰泰三氏



玉腰「9月16日に東京、千葉、神奈川の100万世帯にチラシを配布しました。このチラシをみて、通販カタログを請求してきた人の総数は、まだ集計できていませんが、これまで請求してきた人でいえば、8割方がはがきで、1割がFAX。残りの1割が双方向メディアです。双方向メディアには、ホームセキュリティー端末のほかにも、インターネットや、テレビ東京が運営している、電波の隙間を利用して文字情報を送信する“ITビジョン”などが含まれます」

「コーヨー21にとっては、チラシをDTPで作っているため、そのデータをインターネットやデジタル端末で使用することは、データの2次利用ができるというメリットがあります。1回につき、せいぜい100~200万世帯にしかチラシをまけないのですが、全国4000万世帯の埋もれた消費者をインターネットなどでカバーすることができるわけです。また、カタログ請求のはがきも受取人払いにしているため、1通60円かかるのですが、双方向メディアならば、もっと安い費用でカタログ請求を受け付けることができます。この点も、非常に魅力のある点です」

----コーヨー21のようなサービスを行なっている企業はほかにもあるのでしょうか。

「当社は、5年前に、カタログコレクションを始めましたが、現在、同種のサービスを行なっているのは当社だけだと思います。過去に同種のサービスを始めたところもあったようですが、続かなかったようです。この種のサービスは、実績を重ねて、信頼をえるしかないようです。たとえば、1つのチラシに競合する会社のカタログが掲載されますが、A社のカタログを請求した人のデータをB社に渡してしまったり、納品データを間違えたり、といったことをしてしまうと、信頼はいっぺんに失われてしまいます。当社は、5年間一切、そういったことはありませんでした」

大きさの違う2種類のチラシを作り、返信率を比較した。大きさの違う2種類のチラシを作り、返信率を比較した。



「また、当社は、チラシの配布に関してのノウハウの蓄積もあります。たとえば、同じ内容のチラシをB4サイズのものと、その倍の大きさのものと2種類作り、東京の同じような世帯にそれぞれ100万部ずつ配布するという実験を行なったこともありました。この時は、どちらもカタログ請求が来た比率は、ほとんど同じでした。つまり、コストパフォーマンスを考えると、小さいチラシのほうが効果的であった、ということになります。そういったノウハウの蓄積に加えて、カタログの請求がどれだけあったかというデータもちゃんと公開しており、そういった点で通販会社からの信頼を得ていると思います」

----コーヨー21の今後の展開について、お聞かせください。

「今後は、生命保険のカタログコレクションを11月に配布しようと考えています。初めは、投資信託も検討していたのですが、まだ、制度的なものが固まっていないため、まず生命保険で行ないます。これまでのチラシと同じように、はがきやFAX、マルチメディア端末、インターネットなどで受け付けます。もちろん、綜合警備保障さんのホームセキュリティー端末からの申し込みも可能です。現在、53の金融機関が検討中で、8社の枠の内、すでに3社が参加を決定しています。ただ、この3社は、いずれも外資系で、日本の金融機関は、まだまだ、新しいものには尻込みしている、という感じです」

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