デザインオートメーション(株)は、3次元CAD(Computer Aided Design)ソフト『CADPAC-SDS(Solid
Design System)』を9月に発売する。Windows NTに対応し、価格は95万円。これは同社のCADソフト『CADPAC』シリーズの3D対応版。2Dの図面から3Dモデルを生成したり、逆に3Dモデルから2Dの図面を作成するというように、2D設計/3D設計の連携が可能。『CADPAC』シリーズの2Dデータが利用できるだけでなく、DXF、DWG、IGES、MicroCADAMなどのCAD用データフォーマットを新たにサポートしている。
3Dモデリングエンジンには、(株)リコーの『DESIGNBASE』を採用。3Dモデルを“ソリッドモデル”(モデル全体を表示)、“サーフェイスモデル”(モデルの限られた表面のみ表示)、“ワイヤーフレーム”(モデルの外形を実線で表示)の3パターンで表示でき、またこれらを混在させることも可能。マウス操作やパラメーター入力により、3Dモデルの変形や位置決めが行なえる。
このDESIGNBASEは、'97年度におけるCADソフト出荷本数((株)矢野経済研究所調べ)でトップ10を占めるソフトのうち5本に採用されているという。竹原司・デザインオートメーション代表取締役社長も、「3Dモデリングエンジンの候補としては、米Unigraphics
Solutions社の『Parasolid』、米Spatial Technology社の『ACIS』も挙げたが、DESIGNBASEの3パターンで表示できる点や、多彩な加工ができる点を買った。もちろんリコーが会社として安定しているということもある」とDESIGNBASE採用の背景を説明した。
(左)竹原司・デザインオートメーション代表取締役社長 (右)左から、大塚裕司・大塚商会代表取締役副社長、鈴木彰・リコー常務取締役 |
製品発表会には、デザインオートメーション、リコーのほか、CADPAC-SDSの販売代理店を務める(株)大塚商会も出席。同社では、デザインオートメーションのほかにも複数企業のCADソフトを扱っており、大塚裕司・常務取締役副社長は、「'98年度上半期における当社のCADソフトの売上は、全体では前年比で上下していないが、3D
CADソフトに限ってみれば、230%の伸びを見せている。2Dから3Dへの流れは顕著で、旬な市場といえる」とコメントした。なお、デザインオートメーションでは、CADPAC-SDSの販売目標を初年度で1300本と設定し、そのうちの半数を大塚商会が販売するとの見込みを示している。