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第1回関東ウェブマスターオフ開催、300名以上のネットワーカーが集う

1998年07月21日 00時00分更新

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 関西では1997年からすでに6回開催されている“関西ウェブマスターオフ”の東京版“関東ウェブマスターオフ”が、7月19日目黒文化会館で開催された。会場には定員200名を大幅に上回る300人以上が集まった。

司会の神田敏晶氏と(有)アクセルエンターテイメンツ代表の堤香苗氏 司会の神田敏晶氏と(有)アクセルエンターテイメンツ代表の堤香苗氏


 “ウェブマスターオフ”は、インターネットやパソコン通信などネットワークを利用しているネットワーカーの有志が、自主的に運営しているオフラインミーティング(オフ会)で、インターネット上で人気のWebマスターや、ネットワークを活用して興味深い事業を展開している人たちを、ゲストとして全国から呼び、講演会として話を聞くほか、懇談パーティーを開くなど、ネットワーカーの交流を目的としている。参加費も1500円と安く、興味のある人ならだれでも気軽に参加できる。関西ウェブマスターオフの世話役であり、今回の司会をつとめた神田敏晶(かんだとしあき)氏による「講演会の形をとっていますが、基本的にオフ会ですので、本音でパーとやってください」との挨拶で、笑いのたえない巨大な“オフ会”は始まった。

第一部 これからのWebデザイン

 



 第一部は、(株)パイナップルカンパニー代表の圓尾伸三(まるおしんぞう)氏の進行で、(株)シンクの佐々木博(ささきひろし)氏、(株)キノトロープの生田昌弘(いくたまさひろ)氏のそれぞれが、企業などのWebの制作を請け負う側として、主にWebのデザインやWebの制作に対する考え方を語った。

 シンクの佐々木氏は、主に企業というよりは、エンターテインメント系のホームページを制作しており、「コンテンツ自体にパワーがあるので、どう楽しませるかがポイント。Webを作っている人と、見ている人の間(ま)を大切に考えている。作り手の気持ちがどれくらい伝わるかが大切」と、アーティスティックな面を語った。キノトロープの生田氏は自らを“Web屋”と言い、企業にとって有効なクオリティ高いWebのあり方を「アクセス数は減らして、見たくない人は見なくていい。基本的にWebでできるのは、マーケティングとサポート、ECなどありえない」と独自の切り口で語った。

 また、Web制作会社を運営する際の共通の問題、企業とのつきあい方、社内のシステム、今後の仕事についての具体的な内容も話題にのぼった。この分野での先駆者的な位置で活躍されているだけに、三者の“生きた言葉”に、参加者は興味深く耳を傾けていた。

第二部 これからどうする? オンラインショップ運営の秘訣

 



 インターネット上で、今後さまざまな可能性を秘めている、オンラインショッピングについて、消費者側として生活者の立場からEC(電子商取引)を考える女性メーリングリスト“LIFE”を主宰する粟飯原理咲(あいはらりさ)氏と、オンラインショップに詳しく、メールマガジン“ウェブショップ成功への道”編集長の森本繁生(もりもとしげお)氏が、わかりやすく説明した。

 粟飯原氏は、500名の会員の意見をもとに、「実際に売れているオンラインショップは、実際のお店と同じように生き生きしている。評判の良いショップは、いろいろなところでリンクされているし、自然に目につくようになる」と消費者側から売れるショップの条件をあげた。森本氏は「オンラインショップは通版のカタログと同じではだめ。接客で重要なのは、メールでのレスポンスの速さ。インターネットならではの速さに、お客さんは感動する」と実際にショップの運営の戦略を公開している、Webを示しながら解説した。

第三部 インターネット・ニュービジネス



 日々新しい事業がうまれるインターネット上で、独創的な活動をしている4名がそれぞれの活動や、これまでの経緯を語った。
 同会の司会進行もつとめる神田敏晶氏は、世界でいちばん小さな放送局“KandaNewsNetwork”の代表で、ビデオジャーナリストとして、デジタル業界をリポートしている。橋本大也(はしもとだいや)氏は、学生時代に始めたメールマガジン“アクセス向上委員会”がきっかけで、マーケッター、ライターとして活躍中。(有)ユナイテッドデジタルの深水英一郎(ふかみえいいちろう)と大川弘一(おおかわこういち)の両氏は、“まぐまぐ”というメールマガジンの配信システムをつくり、現在延べ購読者は300万人を超えているという。

 話題の中心となったのは、やはり画期的なシステムで利用者を増やしている“まぐまぐ”。ユナイテッドデジタル社は、この6月に有限会社にしたという。実際に会場のほとんどの人が“まぐまぐ”を知っており、多くの人がこのシステムを利用してメールマガジンを発行していた。神田氏いわく「こんなに、メールマガジンで情報発信している人が多いウェブマスターオフは初めて!」というくらいだった。深水氏は「最初は、生命体のようなシステムをつくりたかった。おもしろいメールマガジンが増えたので、宣伝しないのに広まった。これからは、小額の課金システムを構築する予定」と、新たな展開を語っていた。

 これだけ、メールマガジンが手軽になり、利用者も増え続けていることから「草の根ジャーナリズムは、メールマガジンから生まれるのでは!」との意見まで飛びだした。実際、そう言ってもいいくらいの熱気を感じることができた。(坂田 恵)

http://www.docan.co.jp/~kwmo/

・(株)パイナップルカンパニー
  http://www.pineapple.co.jp/
・(株)シンク
  http://www.think.ne.jp/
・(株)キノトロープ
  http://www.kinotrope.co.jp/
・(株)NTTマルチメディア情報流通推進部
  http://www.mmci.ntt-v.or.jp/life/main/index.htm
・ウェブショップ成功への道
  http://www.mediawars.or.jp/~shige1/
・KandaNewsNetwork
  http://www.knn.com/
・アクセス向上委員会
  http://www.access.or.jp/
・(有)ユナイテッドデジタル
  http://rap.tegami.com/mag2/

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