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インテルほか3社が“HomeRFワーキンググループ日本委員会”を設立

1998年06月03日 00時00分更新

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 インテル(株)、日本アイー・ビー・エム(株)、日本電気(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)の4社は、家庭内のコンピューターを、情報家電機器、家電機器と相互接続したり、制御などが行なえる無線通信の仕様を策定する“HomeRFワーキンググループ日本委員会”を設立した。今回の発表4社に加え、HRWFG日本委員会に家電、パソコン、および半導体メーカーの10社が参加する。

 “HomeRFワーキンググループ(HRFWG)”は’98年の3月に米国で設立され、“HRFWG日本委員会”は無線に関する電波法に対応した、日本特有の無線環境に適応した仕様を米HRFWGに提案し、採用を呼びかけるという。



 設立にあたって、米インテル社 インテル・アーキテクチャ研究所 兼 HRFWG会長のベン・メニー(Ben Manny)氏は「日本の主要メーカーに参加を呼びかけ、家庭内無線通信仕様をユニバーサルなもの、互換性・インターオペラビリティー性のあるものにしたいと考える。家庭内ネットワークで重要なのは簡便性。オフィス環境とは、違った要素が要求される。例えば、扱うデータフォーマットひとつをとっても、オフィスでは基本的に単一フォーマットが想定されるが、家庭内ではビデオ、オーディオ、画像、テキストとより多くのフォーマットの使用が想定される。将来的には、ビジネスユースの無線通信と、家庭内無線通信とが部分的に融合する面も考えられるが、市場が成功するまで、ある程度見えるまでは、ビジネスはビジネス、家庭は家庭とターゲットを絞って、仕様を策定したいと考える」と、同氏は語った。

 具体的には、SWAP-CA(Shared Wireless Access Protocol Cordless Access)仕様を年内に策定し、'99年後半にSWAP-CA準拠の製品を市場に投入する予定という。SWAP-CAは、無線LANの規格であるIEEE 802.11とコードレスデジタル電話の規格であるDECT(Digital Enhanced Cordless Telecomunications)の技術的要素を組み合わせたもの。全世界で免許を必要としない2.4GHz帯を使用し、IEEE 802.11で規定された1Mbps/2Mbpsのふたつのモードをサポート、同時に6通話まで可能な、32Kbps ADPCM、DECTコール・プロセス準拠の高品位な音声チャンネル、2.4GHz帯で1秒につき50ホップに対応した仕様だという。40ビット暗号化により、セキュリティー面に配慮し、通信距離は50mから200m程度。また、家庭内における電子レンジからの干渉に影響されないように設計されるという。

 当初は、電波法上に問題がない2.4GHzの無線通信。長期的には、5GHzを調査し、策定を進める予定だという。

 NECの第一パーソナルコンピュータ事業部部長代理の熊谷瑛一氏は、「ホームPC市場は、足踏み状態だと言わざる得ない状況。いろいろな原因が考えられるが、メーカー側から見て、これを売り方の問題だったと考えている。これまで、うちの製品はこんな“すばらしい性能!”を持っていて、“なんでもできる”という売り方をしてきた。だけど、これからはユーザーに新しいソリューションを提供していかなくてはならないのかなと思っている。製品のカタログを見てもわかると思うが、“この製品で、こんなことができますよ。こんな使い方ができますよ。こういうふうに楽しくなりますよ。”といった方法に変わってきている。家庭内にも“こんな楽しいソリューション”がありますよ。と提案していきたい。また、日本特有の家庭内環境をひとつあげるとすると、まず各部屋にモジュラージャックはない。これから、NECでは“楽しい”、“得をする”ソリューションをどんどん提供していきたい」と、家庭内無線通信への期待を語った。



 同会場では、CDチェンジャーとPCをつないだ“Music On Demand”、4機のコードレスホンとPCをつないだ“コードレスホンの応用など”HomeRFのデモが行なわれた。

(報道局 西川ゆずこ)

http://www.homerf.org/

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