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EIAJ、半導体市場の中長期展望を予測、2004年に市場規模3355億ドルへ

1998年06月02日 00時00分更新

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 (社)日本電子機械工業会(EIAJ)主催のセミナー“世界の電子機器と半導体市場の中長期展望 1998”が、本日都内で行なわれた。EIAJの会員企業20社から収集したデータなどをもとに、EIAJおよび(株)IDC Japanが半導体市場を分析。1998年、2001年、2004年における半導体の需要、生産台数、売上などの予測結果を報告した。



 '97年の世界半導体市場は1372億ドル(約19兆700億円、1ドル=139円で換算)。今回の報告では、'98年は前年比6.0パーセント増の1455億ドル(約20兆2200億円)と予測。また、2001年、2004年の時点で2383億ドル(約33兆1200億円)、3355億ドル(46兆6300億円)に成長すると予測している。近年マイナス成長を続けるメモリー市場については、'99年からプラス成長に転じるとした。

 半導体市場を分野別に見ると、コンピューター分野(主にデスクトップPC、ノートPC、PCサーバー、HDD)と通信分野(主にデジタル携帯電話)が成長率、売上ともに他分野を牽引するとし、また民生分野におけるデジタルTV、自動車分野におけるカーナビも需要を押し上げると注目している。

 地域別には、“米国”、“日本”、“欧州”、“アジア他”に分類した場合、'97年でそれぞれ33、23、21、22パーセントに市場が分かれているが、2001年では34、21、21、23パーセント、2004年では35、20、21、24パーセントになると予測。日本は成長率がもっとも低いと見ており、旺盛な情報化投資、持続的成長を続ける個人消費に支えられた米国とは対照的な結果となった。ただ、政府の情報化投資により、'98年後半からは日本の半導体需要も持ち直すだろうとしている。

 また、今後注目すべき市場としてシステムLSIにスポットを当てた。同市場は、'97年で16億ドル(約2200億円)と決して大きいとはいえないが、2001年には135億ドル(約1兆8800億円)になると予測。主な搭載機器としてはPC、DVD-ROM、デジタル携帯電話、HDDなどを挙げている。IDCのコンポーネントセミコンダクターアナリスト南川明氏は、「日本メーカーは、微細加工技術に優れているだけでなく、社内にシステム設計担当部署とIC設計担当部署を両方持っていて、連携が密にとれるのが強み。システムLSIは、日本の半導体産業の中長期的な競争力回復に寄与するだろう」と語った。(報道局 浅野広明)

http://www.eiaj.or.jp/

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