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米ロータス社が、表計算ソフトの違法コピーで長野のソフト業者を提訴

1998年06月02日 00時00分更新

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 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会は、'97年10月に同協会内に設立した“企業内不正使用対策本部”の活動報告を実施した。この中で、同本部は、米ロータス・ディベロップメント社が、同社の表計算ソフトを違法コピーして販売した長野のソフト開発業者に対して、損害賠償を求める訴訟を起こしたことを発表した。

 今回、米ロータス社に訴えられたのは、長野県に本社を持つソフト開発業者のディーアイシージャパン(株)。同社は、自動車整備工場向けのソフト『一等書記官』を開発、パソコンにインストールして、セットで販売を行なってきたが、この際、米ロータス社の許可なく『ロータス1-2-3/Notebook Release1.0』をインストールして販売したことが著作権侵害に当たるという。

 米ロータス社では、長野地裁の立ち会いのもとで'97年末に証拠保全を行なったバックアップコピーの検証を行なった。その結果、『ロータス1-2-3/Notebook Release1.0』を違法コピーして販売したのは、'93年10月28日から'97年12月22日に販売されたDOS版の『一等書記官』605セットと推計。『ロータス1-2-3/Notebook Release1.0』の単価3万8000円に、この推計値605を掛け合わせた2299万円を損害賠償の請求額としている。

 米ロータス社の代理人の前田哲男弁護士(写真右)によると、「ディーアイシーに対し、徹底した社内調査を求めたものの、2月13日に出された調査結果は、『ある特定のソフト開発者が、出荷作業を手伝った際に、表計算ソフトをインストールしたまま出荷してしまったもので、故意ではない。また、不当に販売してしまったソフトは、50本程度』という内容で、こちらの推計した605本とも大きく乖離しており、誠意ある回答が得られなかったことが、今回提訴に踏み切った最大の理由」という。



 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会の久保田裕専務理事(写真中央)は、「これまでは刑法に違反する刑事事件での訴えを起こしてきたが、著作権思想の一層の普及を図るためには、民事での訴訟も必要だと考え、民事訴訟をバックアップするために“企業内不正使用対策本部”を設立した。今回のロータスの提訴は、当協会が手がける初の民事訴訟で、全面的にバックアップしていく」とコメントしている。(報道局 佐藤和彦)

・(社)コンピュータソフトウェア著作権協会
 問い合わせ:TEL.03-5976-5175

・ロータス(株)
 http://www.lotus.co.jp/

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