このページの本文へ

【INTERVIEW】シマンテック・小橋輝男氏「Java普及には基礎教育が必要」

1998年04月21日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


 (株)シマンテックが'97年1月に発売したJava開発ツール『Visual Cafe for Java』は、日本では約50パーセントのシェアを占め、ボーランド(株)や日本サン・マイクロシステムズ(株)などを大きく引き離している。

 『Visual Cafe for Java』は、初心者向けのWeb開発版、上級者や一般プログラマー向けのプロフェッショナル版、イントラネット開発者向けのデータベース開発版の3製品があり、JDK1.1.4に対応したバージョン2.1Jが3月に発売されている。

 同社の小橋輝男氏インターネット開発部セールス/マーケティング部長に、日本でのJava普及の見通しについて伺った。



----シマンテックでは、どれくらいの人がインターネットツールの開発にタッチしているのか?

「シマンテック全体で約2000人の社員がいるが、そのうち200人がインターネットツールの開発に携わっている。日本では、インターネットツール開発部門に数人の社員と外部スタッフが関わっており、米国本社に直接レポートを出すという体制をとっている。シマンテックのほかのセクションと異なり、このグループの中に営業、サポート、マーケティングがある。インターネットやJavaは変化が早いので、組織を小さくして動きを機敏にするためだ」

----Webページを新しくした狙いは?

 「14日にワールドワイドで、ホームページのデザインが変わった。また、ゴールデンウイークが明けてからは、インターネットツールの部門サービスとして、製品の技術情報に関するFAQシステムを開始する(http://itools.symantech.co.jp/)。また、電子メールを使った情報発信サービスも開始する予定だ」

----Java普及に関して、日本とアメリカで違いはあるか?

 「日本とアメリカの違いは当社のJava関係の製品の販売動向の違いを見るとよくわかる。『Visual Cafe for Java』は、初心者向け、上級者や一般プログラマー向け、イントラネット開発者向けの3つのレベルの製品を発売しているが、アメリカでは、初心者向けが一番多く売れ、続いて一般プログラマー向け、イントラネット構築用と、ピラミッド型に売れている。アメリカは、裾野が広くバランスの良い売れ方をしている。これに対し、日本では、イントラネット構築用が半数を占めており、レベルの高い層にしか製品が売れていない。裾野が狭く非常にバランスが悪い売れ方をしていると言える」

----“シマンテック公認Java研修コース”を開設しているが、その狙いは?

 「日本のJava開発者の裾野が広がらない理由のひとつに、日本には、Java環境でのソフト開発を行なう際に重要となるオブジェクト指向をきちんと理解している人が少ないことがあげられる。この状況を打開するためには、Javaやオブジェクト指向に関する基礎教育が必要と感じている。そのために、シマンテック公認Java教育を日本で行なっている」

----Java普及に関して、他社に言いたいことはあるか?

「日本のサン・マイクロシステムズに対して、もっとJava普及に向けた活動をやって欲しいと思っている。1年前に比べれば、セミナーなどは強化されつつあるが、それでも収益構造がハードに偏っているためなのか、あまりJava普及に力が入っている感じがしない。Javaの動く環境がある程度広がっていかないとだめで、ソフトが先行してハードを引っ張るのはやはり無理だろう。現状では、Javaのマーケットサイズが小さすぎる。海外のメーカーは、日本市場を二の次に考えているのは否めない。まず、シングルバイトの(欧文対応の)製品を作って売ることを優先している。日本は、その次のマーケットにすぎない。それでも、やっとサンがJava対応のネットワークコンピューター『Java Station』を6月に発売すると発表しており、ようやくJavaの動く環境が整いつつある。Javaは、日本でもようやく普及期に入りつつあり、大きく成長していくと期待したい」

(報道局 佐藤和彦)

http://www.symantec.co.jp/

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン