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「インドのソフトウェア会社の参入で2000年問題解決」、大前研一氏らが講演

1997年11月18日 00時00分更新

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 顧客企業のシステム開発をインドの優良ソフトウェア企業との提携で行なうジャスディック・パーク(株)が1周年記念講演を開催した。

 インドのソフトウェア会社にとって日本のシステム開発の仕事を受注するのは、欧米でのそれと比べ、日本での独自の商習慣や言語の問題など障壁が大きいと言われている。日本側から見ると、インド人は「協調性に欠け」、また企業によって品質が異なるなど、優秀で安価な労働力に関わらず、うまくプロジェクトが運ばないことが多々あるらしい。

 同社では、インド大使館と協力して、インドでトップクラスのソフトハウス5社とパートナーシップを締結、現在全部で6000人ほどの技術者によって各種言語・プラットフォームでの開発に対応可能であるという。インド人SEを数名日本に駐在させ、専用回線設置、翻訳チームを組織するなどして、各クライアントの開発プロジェクト運営にあたっているそうだ。

 同社顧客のひとつである(株)ダスキンからは、今年1月からスタートしたホスト~NTサーバー間伝送システム開発の報告があった。総費用は日本の開発会社に依頼する場合に比べて、約700万円コストダウンした1600万円で、品質も高く満足しているという。今後もインドの企業を活用し、情報系システム開発、業務系システム開発に取り組んでいきたいということだ。同開発に関わったインド人システムアナリストからは、「アフター5など日本独特のビジネス文化などに気を使った。ダスキンでは支店を『愛の店』と呼ぶが直訳するとLOVE SHOP、コミュニケーションの難しさもあった」などの声があった。

 代表取締役会長の大前研一氏は、(株)ナイキが2000年問題に対応するためには、タイガー・ウッズとの7年ぶんの契約より金がかかることや、ロイター・ジャパン(株)がコストなどの面から、2000年問題に対処せずに廃棄するプログラムを多数リストアップしている例を挙げ、同問題の深刻さを語った。(社)情報サービス産業協会が6000社を対象に行なったアンケートで、回答企業のうち42パーセントしか対応を開始していないこと、同協会の見積もりで62万人月のSE不足が予想されていることなどを挙げ、「日本中のSEが2000年まで毎日働いても間に合わない2000年問題対策にもインド企業とのパートナーシップが効果的」と語った。(報道局 若名麻里)

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