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ボイジャー、ブラウザー上で、縦書き表示で立ち読みできるシステムのライセンス販売を開始

2000年06月28日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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(株)ボイジャーは28日、ウェブブラウザー上でテキストの縦書き表示が行なえ、立ち読み感覚で文章を閲覧できるシステム“ドットブック/たて書き・立ち読みシステム”を7月よりライセンス販売すると発表した。

“ドットブック/たて書き・立ち読みシステム”は、IEおよびNN(いずれも4.0以上)のブラウザー上で、縦書きやルビ表示を可能にするもの。同社の新しいブックフォーマット“book形式”と『T-TimePlug』、QuickTime(3.0以上)を利用することで、ユーザーはウェブ上で縦書き文章を閲覧できるようなる。ページめくり、文字の拡大や縮小、ゲージによるジャンプなどのインターフェースはT-Timeと同様に操作できる。

さらに、オンデマンド出版や電子本サイトにも利用できるように“立ち読み機能”を搭載している。抜粋した文章や全文を閲覧できるように設定し、閲覧表示時間に制限を設ける。一定時間が経過するとスクランブル表示に切り替わり、文字は判読できなくなるが、表示時間内ならばどこでもジャンプして本の内容を吟味できる。この仕組みを使えば、読者が書店で立ち読みするような感覚で内容を検討し、その本を購入するかどうか決定できるようになる。


立ち読みシステムのサンプルイメージ(『小さなメディアの必要』津野海太郎著)。立ち読み時間や購入ボタンが表示されている(クリックで画像が大きくなります)

このシステムを利用するためには、新しいファイルフォーマット“book形式”に変換する必要がある。テキスト形式やHTML形式のデータをT-Timeビューアーで編集したあと、専用ソフトでセキュリティーなどを設定する。ここでは“テキスト保護”(編集結果を保存するか)、“書式保護”(オリジナルデザインを保護するか)、“ファイル形式”(bookファイルに変換)、“スクランブル”(ファイルやアドレスを開いたあとどのくらいの時間でスクランブルをかけるか)といった詳細を設定できる。

立ち読み機能をウェブ上だけで利用できるように設定すれば、ローカル上での文章にスクランブルをかけられる。サンプルの抜粋文はスクランブルをかけない設定にしておいて、ローカル上でダウンロードしたあと『T-Time ver.2.1』によって閲覧できるようにする。全文にはウェブ上だけでの利用を考えてスクランブルをかける。これによりローカル上では全文にスクランブルがかかる。また、コピーやセレクト禁止機能があるので、セキュリティーも万全になる。

設定画面。“テキスト保護”、“書式保護”、“スクランブル”などの詳細を設定できる
設定画面。“テキスト保護”、“書式保護”、“スクランブル”などの詳細を設定できる



このシステムの基本ライセンス料は1ヵ月あたり5万円(最低使用期間1年間)。個人利用の場合は同社にファイルを送れば、1ファイルあたり500円でbook形式に変換してもらえる。

“ドットブック”は、
『青空文庫』
(http://www.aozora.gr.jp/)、
筑摩書房のウェブサイト『Webちくま』
(http://www.chikumashobo.co.jp/index2.html)、
大日本印刷の『銀座の学校』
(http://www.dnp.co.jp/jis/g_gakko/cafe/index.html)、
同社の縦書きT-Timeマガジン『ICE TEA』
(http://www.voyager.co.jp/T-Time/icetea/book/index.html)
での利用が始まっている。また、講談社、集英社、新潮社、角川書店、文藝春秋(独自ブラウザ―による組み込み)などの大手出版社でも、ほぼ採用が決まっているという。今後は出版社だけでなく、ネット上で社内報を利用しているメーカーなどにも販売を広げ、50社から60社ほどの契約を見込む。

(株)ボイジャーの萩野正昭氏。オンデマンド分野では『本とコンピュータ』との連携も7月から始まるという
(株)ボイジャーの萩野正昭氏。オンデマンド分野では『本とコンピュータ』との連携も7月から始まるという



同社の代表取締役、萩野正昭氏は「スティーブン・キング氏の電子ブックや、“Open eBook”の動きなどが話題になっている。海外ばかりでなく、国内でも平井和正氏の“e文庫”がスタートし、2000万円をこえる売上げを記録したというニュースもあった。電子ブックの風向きは良いが、こうした波に乗り遅れないように今回の技術を開発した。ボイジャーの技術は単体製品として市場に投入することが多かったが、今回の製品は出版社と協力し、(ライセンス契約という形で)有効なステップを踏んでいきたいと考えている。また、セキュリティー上の配慮もしている。本屋で現物をパラパラと見るようなことは、ネット上ではできないが、このシステムを利用してすべてのページを見られるようにすることも検討している。オンデマンドで紙の本が配布されるようになってきたので、このような分野にも広げていきたい」とした。

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